高原のねごと

そうか巨人か、丸移籍で広島秘伝の「エキス」流出?

巨人へのFA移籍を表明する丸(撮影・大池和幸)
巨人へのFA移籍を表明する丸(撮影・大池和幸)

そうか。巨人か。そうか。丸よ。やはり巨人なのか。

正直な感想は、そういうところでしょうか。国内FA権を獲得した選手として、このオフ最大の目玉だった丸佳浩選手が巨人への移籍を決めました。

担当記者たちが懸命の取材で割り出した「条件」から判断し、やはり最大のモノを出した球団に決まったというところでしょうか。

11月26日、選手納会が行われた広島市内で丸とほんの少しだけ話しました。

「迷ってるみたいやん?」という質問に彼は「そうでもないんですけどね」と静かに返してきました。心は決まっていたということでしょうか。

今回の丸の決断、これはプロとしては1つの意味で正しい選択だと言えます。プロがプロに対する誠意はおカネを中心にした条件なのは言うまでもないところ。それだけが理由でなくても、そこが大きな要素になるのは当然です。

そこまで書いた上で本音を言えば、丸には広島に残ってほしかったなあという気持ちを持っています。

金銭面で最大となる条件を出した巨人。そこを断って金銭面では劣る広島に残留すれば、大リーグからの巨額オファーを蹴って広島に復帰したあの黒田博樹氏を再び思い出させるような出来事になったかもしれません。

そうなれば広島ファンはもちろん、巨人以外のプロ野球ファンから「いいぞ。丸!」とさらに大きな人気を獲得できたような気もします。

とはいえ。だからと言って今回のことを「残念」と言い切ってしまうこともできないのです。巨人のユニホームを着て暴れる丸を「くっそー。やりやがるぜ。やっぱり」と言いながら見てみたい気も少しするのはなぜかな、と自分でも思ってしまいます。

いずれにしても相当な決意での移籍でしょうし、我々はそれを見守るだけです。

ここで1つ、今回の移籍でポイントというか大事な話を記しておきたいと思います。

今季、巨人は広島に対し、7勝17敗1分け、借金10と最大の苦手としていました。これがどうなるか、です。

広島から巨人に移籍した丸が広島投手陣を打てるか、あるいは広島投手陣が丸を抑えられるか、という点が来季、注目されると思いますが、それだけではないのです。

もちろん想像の域を出ないのですが、丸の移籍によって、何が起こるか。それはこういうことです。

今季、広島投手陣が巨人打線をどう抑えていたか。あるいは広島打線がどうやって巨人投手陣を攻略していたか。その「エキス」が巨人側に明らかになるということです。

丸は好男子です。古巣の情報を積極的に伝えて回るとは思いませんが、新たなチームメートたちに質問をされたら答えるでしょう。

それは当然のことです。「想像の域を出ない」と書きましたがトレード移籍などでは普通のことです。

丸の移籍によって巨人に対する広島のアドバンテージが少なくなる可能性は否定できません。そこにリーグ4連覇を目指す広島がどう対抗していくか。これは来季へ向けての大きな注目点なのです。

取材生活30年を超える古だぬき記者。吉本興業から宝塚歌劇団、あるいはヤバい人たちの取材から始まり、プロ野球ではイチロー日本一(96年)星野阪神V(03年)緒方広島連覇(17年)などの瞬間に立ち会った。日刊スポーツ大阪本社編集委員。

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