今夏の甲子園大会が中止になったことを受け、全国各地で高校球児を支える動きが出ている。

石川県高野連は21日、県内加盟校の野球部員や監督、部長らに対して、繰り返し使用できるスポーツマスクを1人1枚配布すると発表した。部活動再開後、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための取り組み。現場の指導者から「マスクを徹底すると集団感染の防止になるという声もあった」という要望もあったことから、全国的に見ても先進的な取り組みに着手した。同連盟の佐々木渉理事長は「石川県の高校野球界で何かできることを、という取り組み」。業者にはすでに二千枚を発注済み。「お金もかかるけど、それくらいならできるかなと。クラスターを出してしまったら秋の大会ができなくなる。感染リスクをゼロに近づけるような取り組みをしようと思った」。ミーティング時など「3密」の恐れがある状況での使用を推奨しており、同連盟では、独自の県大会開催に向けて協議を進めている。

鳥取県では21日、平井伸治知事が野球など高校スポーツの県独自の代替大会開催を表明。経費補助も行う意向を示したほか、公式戦の消滅で大学推薦の可能性を失うなど進路への影響も懸念されることから、「You Tube(動画サイト)」で大会の様子を配信する策も検討するという。鳥取県高野連の田村嘉庸理事長は「助かりますし、開催へ向け明るい材料です」と大きな後押しを受けている。

大阪府の吉村洋文知事は22日、自身のツイッターで「大阪大会だけでも実現できないか準備に入る。できる限り頑張る」と投稿。代替の大阪府独自大会開催へ尽力することを明かした。高校生の晴れ舞台を少しでも取り戻すため、多くの大人たちが動いている。(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)