創部13年目の角田(かくだ)が春夏秋を通じて初めて4強入りした。昨夏、今夏の宮城大会で初戦コールド負けした公立校が、上位3校が出場する東北大会(10月13日~、福島)に王手をかけた。

 2回に連続押し出し四球で2点を先制し、6回に9番渡辺凌平外野手(2年)のスクイズで加点した。9回は先頭の1番相馬颯外野手(2年)が右越えへの打球で、50メートル6秒3の快足を飛ばして一気に本塁を陥れ、ランニング本塁打。1死三塁からは4番預幡歩内野手(2年)がスクイズを投前に転がし、試合を決めた。12年ぶりに8強入りした勢いは止まらなかった。

 原田一貴監督(43)は「もうちょっと打たれるイメージでしたが投手が頑張ってくれて、バックもしっかり守ってくれた」と、1失点完投したエース右腕太田悠雅(2年)の好投など、ディフェンス面を評価した。

 ベンチ入り可能な20人に満たない、今大会最少の17人。太田は「人数が多いと誰かがやってくれるになる。人数が少ないから責任感がある」と練習、試合とも各自が役割に自覚を持っている。

 今夏の宮城大会は、大会第2日の7月15日に終えた。原田監督は「だいぶ早く負けたので、準備ができた」と話す。新チーム初の公式戦となった南部地区予選の初戦は8月20日。1カ月以上の底上げを図る期間がプラスに働いた。その地区予選は4戦全勝して優勝と、強さを示した。太田は「南部王者として、絶対に負けられない気持ち」と、プライドを背負って今大会に乗り込んでいた。

 強豪私学の東北、東陵が1回戦で姿を消し、8強に公立校7校が残ったのは99年以来18年ぶり。4強には角田のほか利府、仙台南の3校が残った。角田は23日の準決勝で唯一の私学、仙台育英と激突する。原田監督は「必死にやるだけです」と無欲を強調した。