大船渡・佐々木朗希、冬越して怪物がさらに進化した

<春季高校野球岩手県大会:盛岡中央3-2大船渡>◇19日◇1回戦◇一関運動公園野球場

 最速149キロを誇る「岩手の新怪物」こと大船渡・佐々木朗希投手(2年)が、今春の全国最速となる153キロをたたき出した。公式戦初先発となった盛岡中央との1回戦で、初回に自己最速を4キロ更新。8回を投げきり7安打9奪三振3失点と粘った。1番打者としても2安打3四死球で全5打席に出塁し、50メートル5秒9の快足を飛ばして2盗塁も決めた。岩手の偉大な先輩、エンゼルス大谷翔平(23)ばりの投打二刀流で躍動したが、試合は2-3の1点差で敗れた。

 勝利だけが欲しかった。今春の全国最速となる153キロをマークしても、佐々木朗はチームを初戦突破に導けなかった。初回、相手4番に甘く入った変化球を狙われるなど、序盤の2失点が響いた。ベンチ唯一の2年生は敗戦後の整列で、肩を落としながら悔し涙を流した。

 佐々木朗 負けてしまって、本当に悔しい。自分の力で相手を押し切れなかった。3年生がノーエラーで守ってくれたのに、自分が足を引っ張った。力のなさを痛感した。

 150キロの大台突破が勝利に結び付かなかったが、強烈なインパクトは残した。初回に巨人柏田貴史スカウトのスピードガンで、自己最速を4キロ更新する153キロをたたき出した。最終盤の8回でも平均140キロ台後半の球威を維持し、150キロも1球計測。この日は4度も大台に乗せた。佐々木朗は「イニングが過ぎても、球速は落ちなかった。体重が増えたので、安定して投げられている」と体力面は評価した。

 秘めているポテンシャルは計り知れない。昨秋は成長痛と闘っており、1日5度の食事と、軽いストレッチや体幹トレだけしかできなかった。「腰に痛みがあって、立ってても痛かった。冬はあまり負荷をかけていない。(この夏は)練習の負荷を上げていきたい」。夏までさらにギアを上げ、万全の肉体が完成すれば夢が広がる。「3年になったら160キロオーバーを投げられるのを目標にする。まずは私立に勝てるように」。最速153キロは「岩手の新怪物」にとって序章にすぎない。伝説は、これから始まる。【高橋洋平】