金足農(秋田)ならぬ金足「脳」で、初戦(8日)で対戦する鹿児島実の強みを封じる。大阪・茨木市内で3日、約2時間の練習。相手は出場56校中、3番目に多い24個(1試合平均4個)の犠打を誇る。

 一塁を守る高橋佑輔(3年)は「自分たちもバントは、いろいろなことを考え練習してきた。それだけにやられたことも想定しているし、バントが得意な相手ほど、やってくることは分かる」。金足農も18個の犠打を絡めて接戦を勝ち抜いてきただけに“お家芸”を簡単には決めさせない。

 場面によっては数種類のサインプレーも使うが、高橋と三塁手の打川和輝(3年)の動きがカギを握る。高橋は「確実にアウトを取らなくてはいけないが、投手の吉田(輝星、3年)がフィールディングが良いので、いかに投手が処理しやすいところにさせるかが重要」。秋田大会初戦でも3回に無死で初安打を打たれた直後、打川が猛ダッシュして左打者に重圧をかけてコースを限定し、あえてバントをさせて併殺を奪った。打川は「声かけなどコミュニケーションを皆で取れば、どんな相手でも問題ない」。鉄壁のバント守備でも最速150キロエース右腕を援護する。【鎌田直秀】