11年ぶり6度目出場の金足農(秋田)が今日8日、東北勢の先陣を切って第100回全国高校野球選手権記念大会の初戦に挑む。7日、鹿児島実戦に向けて大阪・豊中市内で最終調整を行った。10年の八戸工大一(青森)以来、東北勢の初戦は8連勝中。最速150キロ右腕の吉田輝星(3年)がチームを23年ぶりの初戦突破に導き、東北勢に勢いをもたらす。
俺が先陣勝利に導く! 吉田が鹿実撃破に自信を見せた。東北勢は10年から8年連続で初戦突破中と聞かされると、最速150キロ右腕は高らかに宣言した。
吉田 目標は全国制覇。まず秋田県勢として初戦を突破したい。負ける気はないし、9連勝したい。自分たちの力を甲子園で出していかないと、東北初の優勝旗はもらえない。そこは自分が先頭になって、勢いづけたい。
豊中市内で行われた7日の最終調整で、万全をアピールした。ブルペンでは右打者を立たせて4球、左打者には32球を投げ込み感触を確かめた。圧巻は相手先発打線に6人も並ぶ左打者への投球だ。膝元すれすれの内角直球に、外角へ逃げるツーシームを自在に操ってみせた。「秋田大会より全然調子はいい。完璧に近いぐらい仕上がっている。インコースのコントロールが重要。緩急しっかりつけて、低めに投げたい」と、自信をみなぎらせた。
実際に防具を着けて打席に立ったベンチ外の岩本健斗(2年)が証言した。膝元に投げ込まれた150キロに迫る直球を実際に体感し、戦慄(せんりつ)が走っていた。「めちゃ怖かった。内外のコンビネーションは絶対に打てないと思う。ヤバかった。絶対に無理」。中泉一豊監督(45)も「左の内角攻めが生命線になる」とキーポイントに挙げた。
吉田の脳内では、既に甲子園のマウンドで投げる自分の姿が再生されていた。「しっかり全力で投げれば150キロ以上は出る。初球は思い切り、ストレートを投げたい」。前日6日には甲子園で試合観戦。イメージをさらに膨らませた。注目されれば、注目されるほど力を発揮する男が、聖地で仁王立ちする。【高橋洋平】
◆東北勢の夏先陣8連勝◆
年 東北勢 結果 対戦校 最終成績
10 八戸工大一(青森)8○4英明(香川) 2回戦
11 聖光学院(福島) 5○4日南学園(宮崎)2回戦
12 仙台育英(宮城) 8○2佐賀北(佐賀) 3回戦
13 聖光学院(福島) 4○3愛工大名電(愛知)2回戦
14 利府(宮城) 4○2佐賀北(佐賀) 2回戦
15 花巻東(岩手) 4○2専大松戸(千葉)3回戦
16 盛岡大付(岩手) 8○6九州国際大付(福岡)3回戦
17 盛岡大付(岩手) 4○1作新学院(栃木)ベスト8
18 金足農(秋田) ? 鹿児島実(鹿児島)?
※すべて1回戦