世紀の瞬間に立ち会おうと、会場が「オール秋田」で1つになった。秋田市中心部に位置する「エリアなかいち」で21日、金足農対大阪桐蔭(北大阪)のパブリックビューイング(PV)が行われ、前日20日の準決勝を600人上回る約1550人の大観衆が声援を送った。終了の瞬間、「金足農業高校 感動をありがとう!!」と描かれたくす玉が割れると、激闘を終えたナインを割れんばかりの拍手で祝福した。

 点差こそ開いたが、だれもが最後まであきらめずに逆転を信じて念を送り続けた。会場に隣接する皮膚科クリニック勤務の二田萌菜美さん(24)は「院長の計らいで試合の時間は休院になりました。ここまで頑張ってくれてありがとうと伝えたい。秋田県民の誇り、笑顔で帰ってきて下さい」と、涙を流しながら健闘をたたえた。

 秋田舞妓(まいこ)の佳乃藤さん、小代美さんも金農カラーの紫の着物姿で声援を送った。気温35度を超える猛暑の中、おしろいに汗を光らせながら祈りをささげた佳乃藤さんは、「気温は上がってますが彼らはもっと暑い中、戦ってきた。秋田の男の子たちが頑張っている姿に感動しました」とナインをねぎらった。【下田雄一】