第91回選抜高校野球大会(19年3月23日開幕、甲子園)の21世紀枠候補9校が14日、日本高野連から発表された。北海道地区は釧路湖陵が初めて候補校となった。今秋の全道大会で61年ぶりに4強に進出した成績などが選考理由。3校が選ばれる21世紀枠は一般選考と同じ来年1月25日に決定する。創立105年、北海道屈指の進学校が、春夏通じて初の甲子園出場を心待ちにする。

創立105年、創部から102年の道内有数の進学校が、初の21世紀枠候補校となった。

9年ぶり出場の秋全道は、初戦で札幌英藍を14-12で下して30年ぶりの白星を挙げ、稚内大谷との準々決勝を10-0の完勝で61年ぶりの4強入り。「選手の頑張りもあって秋は2つ勝たせていただいたが、やはり歴史と伝統があったからこそ」と小田聖人監督(37)。斎藤叡佑主将(2年)も「自分たちは歴史を変えるという意気込みで取り組んできました。それも、これまで先輩方が築きあげてくれたものがあったからこそ」とあらためて先人に感謝した。

練習メニューのほとんどを、24人の選手主導で考えている。「自主、自立」がモットー。複数の選手からなる11班が「学習係」や「ベンチワーク係」などの役割を分担。リポートを作成し、毎週月曜日のミーティングで公表、改善をうながしている。「当たり前係」は生活態度やあいさつを担当するなど、野球以外の面でもチームの団結力を強めてきた。

限られた時間の使い方にも、工夫を凝らしている。平日練習は約2時間半。3分間のキャッチボールをウオーミングアップ代わりの肩慣らしにあて、すぐに4分間のポジション別送球練習へと移る。陸上部から入手した「走り方のドリル」を各自が考えて実践し、走力を強化。斎藤主将は「3歩以上は常に全力疾走」と説明するが、ここでも時間を「有効活用」している。

冬期間はビニールハウスの練習場内に加え、雪が積もるグラウンド上では反射神経を強化するため長靴姿のハンドボールも取り入れている。「(来春まで)やることは変わらないが、自覚と責任を感じ緊張感を持って冬場を過ごせるのはいい」と小田監督。斎藤主将は「勉強と野球、どっちにも力を入れないといけないので調整は難しいけど、やりがいがあります」と笑顔だった。【奥村晶治】

◆釧路湖陵野球部 1916年(大5)創部。近年では13年春全道8強、16年北大会8強があり、9年ぶり出場の今秋全道は準決勝で札幌第一に1-5で敗退したが61年ぶりに4強入りした。現1、2年部員は24人(うち女子マネジャー2人)。

◆センバツ21世紀枠 少数部員や自然災害などによる困難の克服、練習などの創意工夫、地域貢献など、野球の成績以外の要素を考慮し、出場機会を広げる目的で01年大会から導入。秋季都道府県大会ベスト16以上(加盟校129校以上はベスト32以上)などをクリアし、模範的な活動をしている学校が選ばれている。この日発表された9校のうち3校が来春のセンバツに出場する。選考委員会は1月25日。