第91回センバツ高校野球大会(3月23日開幕、甲子園)の選考委員会が25日、大阪市内の毎日新聞大阪本社・オーバルホールで行われ、出場32校が決定した。21世紀枠には、石岡一(関東・茨城)、富岡西(四国・徳島)、熊本西(九州・熊本)の3校。
最速153キロ左腕の及川雅貴投手(2年)を擁する横浜は、昨秋の神奈川大会で優勝。関東大会では2回戦で春日部共栄(埼玉)に7回コールド負けを喫したが、激戦の「関東・東京」6枠目に入った。史上初のセンバツ3連覇と春、夏、春の甲子園3連覇を目指した大阪桐蔭は無念の落選。昨秋の近畿大会はベスト8どまり。近畿6枠をめぐる争いで、条件的にはボーダーライン上だった。甲子園出場を逃すのは16年夏以来、5季ぶり。
21世紀枠=3校
◆石岡一(茨城=初)
東京から特急で約1時間、茨城・石岡市にある県立高校。1910年(明43)に「新治郡立農学校」として創立し、野球部も4年後に創部した。全日制3科に加えて、定時制も備え、全校で1000人近い生徒が学ぶ。野球部は49人(うち女子マネジャー3人)
- 21世紀枠で春夏通じて初の甲子園出場が決まり喜びを爆発させる石岡一ナイン(撮影・足立雅史)
◆富岡西(徳島=初)
1896年 徳島県尋常中学校第二分校として開校した県立校。校訓は「質実剛健」。校風は「文武両道」。野球部は1900年創部。今年で創部120年目を迎え徳島県内では2番目に古い野球部。部員数41人(うちマネジャー8人)。剣道部、新体操部も強豪。主なOBに内閣官房長官などを歴任した後藤田正晴氏(故人)ら。所在地は徳島県阿南市富岡町小山18の3
- 春夏通じて初の甲子園出場に喜びを爆発させる富岡西ナイン
◆熊本西(熊本=初)
1974年創立の県立校。普通科、普通科体育コース、理数科があり全校生徒1038人(女子467人)。なぎなた部、ラグビー部も強豪。野球部は76年創部。甲子園は85年夏に1度出場し1勝を挙げた。部員数40人。所在地は熊本市西区城山大塘5の5の15
- センバツ出場を決め、ガッツポーズで喜ぶ熊本西の選手たち(撮影・菊川光一)
北海道=2校(神宮大会1枠含む)※補欠校=駒大苫小牧、釧路湖陵
◆札幌大谷(初)
1906年(明39)4月、私立北海女学校として創立。48年に中学校を開設し、現校名となった。野球部は女子校から男女共学になった09年に創部。ほかの運動部では男子サッカー、女子バレーボール、卓球、フェンシングなどが全国レベル。主な卒業生は里田まい(タレント)藤本那菜(女子アイスホッケー日本代表)ら。所在地は札幌市東区北16東9。種市政己校長
- 選抜出場を決め、笑顔で帽子を投げる札幌大谷ナイン(撮影・佐藤翔太)
◆札幌第一(2年ぶり3度目)
1958年(昭33)創立。男女共学の私立校。創立と同時に創部された野球部は甲子園に春3度目、夏3度出場。進学率99%を誇り、バドミントンなどスポーツも盛ん。主な卒業生に16年リオ五輪で日本選手団旗手を務めた陸上男子10種競技代表の右代啓祐らがいる。所在地は札幌市豊平区月寒西1の9の10の15。浜館宏樹校長
- 神宮大会枠でのセンバツ出場が決まり、雪の中で雄たけびを上げる札幌第一の選手たち(撮影・永野高輔)
東北=2校 ※補欠校=花巻東、仙台育英
◆八戸学院光星(3年ぶり10度目)
1956年(昭31)創立の私立校。野球部は学校創立と同時に創部された。甲子園出場は春10度目、夏9度。11年夏から甲子園3季連続準優勝。主なOBは巨人坂本勇人、ロッテ田村龍弘、阪神北條史也ら。所在地は青森県八戸市湊高台6の14の5。小野崎龍一校長
- 3年ぶり10度目の選抜大会出場が決まり帽子を投げて喜ぶ八戸学院光星の選手たち(撮影・野上伸悟)
◆盛岡大付(2年ぶり5度目)
1958年(昭33)生活学園高校として創立の私立校。63年に女子校から共学。90年から現校名。野球部は80年創部。甲子園出場は春5度目、夏は10度目。OBにソフトバンク松本裕樹ら。岩手県盛岡市厨川5の4の1。赤坂昌吉校長
- ガッツポーズでセンバツ出場を喜ぶ盛岡大付ナイン
関東・東京=6校 ※補欠校=関東:佐野日大、前橋育英、東京:東海大菅生
◆桐蔭学園(神奈川=16年ぶり6度目)
1964年(昭39)に男子校として創立し、81年女子部設立。甲子園出場は春6度目、夏6度。初出場の71年夏に全国制覇した。主なOBに元巨人高橋由伸氏、ロッテ鈴木大地、俳優織田裕二、タレント西川史子、デーモン小暮閣下ら。所在地は横浜市青葉区鉄町1614。岡田直哉校長
- センバツ出場が決まり喜びを爆発させる桐蔭学園の選手たち(撮影・垰建太)
◆春日部共栄(埼玉=22年ぶり3度目)
1980年(昭55)に創立された男女共学の私立校。野球部も同年創部。甲子園出場は春3度目、夏5度。主なOBは元ロッテ小林宏之氏、日本ハム中村勝ら。所在地は春日部市上大増新田213。宇野禎弘校長
- センバツ出場を決め、円陣を組んで雄たけびを上げる春日部共栄の選手たち(撮影・林敏行)
◆山梨学院(山梨=5年ぶり3度目)
1956年(昭31)創立の私立校。野球部は57年創部。甲子園出場は春3度目、夏8度。主なOBは巨人松本哲也コーチ、ソフトバンク明石健志ら。所在地は甲府市酒折3の3の1
- センバツ出場が決まり気合の入る山梨学院ナイン(撮影・滝沢徹郎)
◆習志野(千葉=10年ぶり4度目)
1957年(昭32)創立の市立校。野球部も同年創部した。甲子園出場は春4度目、夏8度。67年、75年に全国制覇している。OBは元阪神掛布雅之氏、ヤクルト小川淳司監督、ロッテ福浦和也ら。所在地は習志野市東習志野1の2の1
- 10年ぶり4回目のセンバツを決め、OBのロッテ福浦和也のポーズを決める習志野の選手たち(撮影・狩俣裕三)
◆横浜(神奈川=5年ぶり16度目)
1942年(昭17)創立の私立男子校。野球部は45年創部。甲子園は春16度目、夏は18度の出場。98年に史上5校目の春夏連覇を達成。所在地は横浜市金沢区能見台通46の1。葛蔵造校長
- センバツ切符を手に入れて気合が入る及川(中央左)ら横浜の選手たち(撮影・山崎安昭)
◆国士舘(東京=10年ぶり9度目)
1917年(大6)創立の私立校。野球部は46年創部。甲子園出場は春9度目、夏1度。他に柔道、剣道、サッカー部などが有名。主なOBに巨人笠井駿、アテネ五輪柔道金メダリストの鈴木桂治ら。所在地は世田谷区若林4の32の1
- センバツ出場が決まり国士舘ナインから胴上げされる永田監督(撮影・江口和貴)
東海=2校 ※補欠校=中京学院大中京、中京大中京
◆東邦(愛知=2年連続30度目)
1923年(大12)東邦商業学校として創立した私立校。48年、現校名に。野球部は30年創部。甲子園は春が30度目。夏は17度出場。34、39、41、89年春に優勝。主なOBに中日藤嶋健人、DeNA関根大気ら。名古屋市名東区平和が丘3の11
- 選抜高校野球の出場が決まり石川主将(中央)を中心に喜ぶ東邦ナイン(撮影・前岡正明)
◆津田学園(三重=17年ぶり3度目)
1987年(昭62)に創立の私立校。野球部は91年創部。甲子園は春3度目、夏1度出場。主なOBは阪神桑原謙太朗、楽天出口匠。所在地は桑名市野田5の3の12。山川政美校長
北信越=2校 ※補欠校=上田西、東海大諏訪
◆星稜(石川=2年連続13度目)
1962年(昭37)「実践第二高等学校」として創立された私立校。63年から現校名。甲子園は春が13度目、夏は19度出場。79年夏の3回戦で箕島と延長18回の死闘を演じた。95年夏に準優勝。主なOBは元ヤンキースで野球殿堂入りを果たした松井秀喜、サッカー本田圭佑ら。所在地は石川県金沢市小坂町南206
- センバツ出場を決め喜ぶ星稜ナイン(撮影・奥田泰也)
◆啓新(福井=初)
1937年(昭2)創立の福井精華女子学園が母体。62年に福井女子高等学校として開校の私立校。98年に現校名となり、男女共学となった。普通科、情報商業科、調理科などを置く。野球部は12年創部。主なOBは牧丈一郎(阪神)。所在地は福井県福井市文京4の15の1。荻原昭人校長
- 初出場が決まり、喜ぶ啓新の選手たち(共同)
近畿=6校 ※補欠校=大阪桐蔭、報徳学園
◆龍谷大平安(京都=3年ぶり41度目)
1876年(明9)に「金亀教校」として創立された私立校。08年から現校名。野球部は1908年(明41)創部。甲子園は春は41度目、夏は34度出場。夏は3度、春は1度優勝。主なOBは元広島衣笠祥雄氏、元阪神桧山進次郎氏ら。所在地は京都市下京区御器屋町30。関目六左衛門校長
- センバツ出場が決まり、ガッツポーズで喜ぶ龍谷大平安ナイン(撮影・前田充)
◆明石商(兵庫=3年ぶり2度目)
1953年(昭28)に市立校として創立。野球部も創立と同時に創部された。甲子園出場は夏1度、春は2度目の出場。主な卒業生は車いすテニスの上地結衣。所在地は明石市魚住町長坂寺1250。楠田俊夫校長
- 2度目のセンバツ出場を喜び合う明石商ナイン(撮影・渦原淳)
◆履正社(大阪=2年ぶり8度目)
1922年(大11)に大阪福島商業学校として創立した私立校。83年から現校名。野球部は開校と同じ22年創部。甲子園出場は春8度目、夏3度。主なOBはオリックスT-岡田、ヤクルト山田哲人ら。所在地は大阪府豊中市長興寺南4の3の19。小森重喜校長。野球以外のOBに漫才師のおぼん・こぼんら
- センバツ出場を決め岡田監督を胴上げして笑顔を見せる履正社ナイン(撮影・加藤哉)
◆智弁和歌山(和歌山=2年連続13度目)
1978年(昭53)創立の私立校。野球部は79年創部。甲子園出場は春が13度目、夏は23度出場。優勝は春1回、夏2回。主なOBに元ヤクルト武内晋一氏、日本ハム西川遥輝ら。所在地は和歌山市冬野2066の1
- 春のセンバツ出場が決定し、中谷仁監督(前列左から6人目)を中心に歓喜のガッツポーズする智弁和歌山ナイン(撮影・白石智彦)
◆福知山成美(京都=5年ぶり3度目)
1871年(明4)創立の私立校。00年に福知山商から現校名に変更。普通科の3コースと商業科の1コースがある。野球部は23年創部。甲子園は春3度目、夏4度。主なOBは元オリックス横山徹也氏、元ヤクルト大原秉秀氏。所在地は福知山市字堀3471の1。足立透校長
- センバツ出場の吉報を受け大喜びの福知山成美の選手たち
◆市和歌山(和歌山=3年ぶり6度目)
1951年(昭26)市立和歌山商として創立。09年普通科設置で現校名。総合ビジネス科、デザイン表現科、普通科の3学科。野球部は57年創部。甲子園は春6度目、夏5度。主なOBに阪神藤田平元監督ら。和歌山市六十谷45。勝本泰弘校長
- 3年ぶりのセンバツ出場を決め、持ち上げられる市和歌山の米田航輝主将(撮影・松本航)
中国=3校 ※補欠校=創志学園、関西
◆広陵(広島=6年ぶり24度目)
1896年(明29)設立。野球部は1911年創部。甲子園出場は春は24度目、夏23度。夏は準優勝4度、春は優勝3度、準優勝3度。主なOBは阪神金本知憲元監督、広島野村祐輔ら。所在地は広島市安佐南区伴東3の14の1。国貞和彦校長
- 広陵ナインはセンバツ出場を決め帽子を高々飛ばして大喜び(撮影・上山淳一)
◆米子東(鳥取=23年ぶり9度目)
1899年(明32)に鳥取県第二中学校として創立した県立校。1949年(昭24)に現校名に変更。硬式野球部は1900年(明33)に誕生し、甲子園出場は春9度目、夏13度。60年春に準優勝している。主なOBは元西武野口裕美氏、元日テレアナの上田まりえら。所在地は米子市勝田町1番地。田中宏校長
- 23年ぶりの出場が決まり、ガッツポーズで喜ぶ米子東の選手たち(共同)
◆呉(広島=2年ぶり2度目)
前身は1959年(昭34)に家庭科専門高等学校として呉市が設立した広島県呉豊栄高等学校。98年に共学化され現校名となった。野球部は07年創部。甲子園出場は春2度目、夏はなし。所在地は広島県呉市阿賀中央5の13の56。西山光人校長
四国=2校 ※補欠校=高知商、明徳義塾
◆高松商(香川=3年ぶり27度目)
1900年(明33)創立の市立校。野球部は1909年創部。甲子園出場は春27度目、夏19度。春夏合わせて4度の優勝を誇る古豪。前回出場の16年春は準優勝。主なOBは巨人水原茂元監督、元阪急島谷金二氏、ロッテ松永昂大ら。所在地は高松市松島町1の18の54
◆松山聖陵(愛媛=2年連続2度目)
1961年(昭36)に男子校として創立した私立校。08年から共学。野球部は70年創部。甲子園は16年夏に初出場(初戦敗退)。主なOBに広島アドゥワ誠、俳優藤岡弘、、お笑いコンビのデンジャラスのノッチら。所在地は愛媛県松山市久万ノ台1112
九州=4校 ※補欠校=興南、小林西
◆筑陽学園(福岡=初)
1923年(大12)創立の私立校。甲子園出場は夏1度。主なOBは広島長野久義、阪神谷川昌希ら。福岡県太宰府市朱雀5の6の1。新田光之助校長
- 春のセンバツ初出場の連絡を受け、喜びを爆発させる筑陽学園ナイン(撮影・今浪浩三)
◆明豊(大分=10年ぶり3度目)
1999年(平11)に別府大付と明星の学校法人合併で発足した男女共学の私立校。野球部創部は別府大付時の52年。甲子園は春は3度目、夏6度の出場。主なOBに元阪神城島健司、ソフトバンク今宮健太ら。所在地は大分県別府市野口原3088。小野二生(つぎお)校長
- 出場が決まり、ガッツポーズの明豊ナイン
◆大分(大分=初)
1952年(昭27)創立の私立校。普通科、自動車工業科、商業科がある。野球部も同年創部。甲子園出場は夏2度。主なOBはオリックス佐野皓大、女優財前直見ら。所在地は大分市明野高尾1の6の1。小山康直校長
- 吉報に駆けだした大分ナイン(撮影・梅根麻紀)
◆日章学園(宮崎=初)
1950年(昭25)に創立された男女共学の私立校。甲子園出場は夏1度、春は初。主なOBはボクシング元世界王者戸高秀樹、プロゴルファー香妻琴乃ら。所在地は宮崎県宮崎市広原836
- 出場を決め、喜ぶ日章学園ナイン(撮影・栗木一考)
★センバツ特別枠
◆21世紀枠 01年導入。推薦校は原則、秋季都道府県大会のベスト16以上(加盟129校以上はベスト32以上)から選出。練習環境のハンディ克服、地域への貢献など野球の実力以外の要素も選考条件に加える。07年まで2校、08年から3校を選出(85回大会の13年は4校)。東日本、西日本から1校ずつ、残り1校は地域を限定せずに選ぶ。
◆神宮大会枠 03年導入。明治神宮大会優勝校が所属する地区に出場枠1を割り当てる。今回は札幌大谷が優勝し、北海道地区に1枠をもたらした。