【第1試合(9:00)津田学園(三重)-龍谷大平安(京都)】

津田学園は甲子園で勝つために「打」に磨きをかけてきた。数年前から三重県全体が打撃への意識を高めている。PL学園、明大、日本通運で外野手としてプレーした佐川竜朗監督(40)は「どんなに投手がよくても5点は取られる。10点取っても11点目を取りにいくくらいの意識で」と徹底している。

昨秋の公式戦で4本塁打、16打点の4番前川夏樹内野手(3年)が打線の軸。周りを固める藤井久大外野手(3年)らも勝負強く。チーム打率3割3分9厘と打線は充実している。

一方、前佑囲斗投手(3年)は注目の右腕。恵まれた体から最速148キロを投げ込み、前以外もタイプの違う投手をそろえる。昨春は三重が大阪桐蔭に惜敗したもののベスト4に進んだ。14年にも三重が準優勝を収めるなど県勢の躍進が目立つ。1戦必勝を掲げる津田学園も、上位進出を期待させる。

◆津田学園の主なOB 阪神桑原謙太朗、元楽天出口匠

龍谷大平安は京都勢の春夏甲子園通算200勝を狙う。昨夏の甲子園であと1勝で迎えた同校の通算100勝を達成。2勝目はならず、200勝は持ち越しになったが、今回は同じ京都の福知山成美より先の試合になり、再び名門が挑戦権を得た。

相手は好投手を擁する津田学園だが対抗する力は十分持つ。昨秋は激戦区・近畿大会で優勝。主将の4番水谷祥平外野手(3年)はチーム最多13打点を挙げたチームの支柱だ。

5番を打つ奥村真大内野手(2年)は昨夏の甲子園を経験した。兄のヤクルト展征内野手、父伸一さん(滋賀・甲西監督)も甲子園で1発を放っており、史上初の親子「3人」で本塁打を目指す。また、祖父の展三さんも滋賀・水口の監督として68年のセンバツに出場している。

左腕2枚看板は強力。野沢秀伍投手(3年)は成長著しく、大会屈指の左腕。左の好投手を擁する龍谷大平安は強い。97年夏は元オリックス川口知哉で準優勝。14年春はヤクルト高橋奎二、立命大・元氏玲仁を擁して優勝した。16年春も明大・市岡奏馬でベスト4。攻守に鍛え上げられた今回も躍進の気配が漂う。

◆龍谷大平安の主なOB 元広島衣笠祥雄(故人)、元阪神桧山進次郎、巨人炭谷銀仁朗