東海大相模(神奈川1位)が東海大菅生(東京1位)との「Tokai対決」を制し、春季関東大会で初優勝した。初回、1番鵜沼魁斗外野手(2年)の先頭打者初球本塁打で、一気に流れを引き寄せた。主軸6人で170本超の本塁打を誇る強力打線は「打倒横浜での夏の甲子園」へ決意を新たにした。

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優勝から3分後、東海大相模・門馬敬治監督(49)は余韻に浸ることなく、選手たちを集め「夏のことしか考えるな」と告げた。全ての意識は、7月7日に開幕する夏の神奈川大会へ。「45日後ですよね」。残された時間も知っていた。

就任から20回目の夏へ。酸いも甘いも味わった門馬監督は「めちゃくちゃ厳しい。それ以外ないです」と神奈川の7月を表現した。ナインはもっと直接的だ。井上恵輔主将(3年)は「関東優勝は当たり前と思ってやってきた。自分たちは横浜しか見ていません。横浜との準決勝に勝ち、その勢いで甲子園を決めたい」と断言した。春季県大会の結果から、夏に横浜と対戦可能性があるのは準決勝だ。昨秋は敗北。練習時から「そんなんじゃ横浜に勝てねえぞ!」との声が飛び交うほど、強く意識する。

昭和、平成と神奈川でしのぎを削ったライバルは、今年も最速153キロ左腕・及川雅貴投手(3年)を筆頭に、万全ならば全国級の投手陣を誇る。そこに自慢の強打でぶつかるが「打ち勝つのも大事。でも相模は伝統的に守備と走塁のチーム。もう1度そこをやり直したい」と井上は気合を入れる。4センチ間隔で貫かれる5ミリ幅のタテジマ。伝統のユニホームは、令和初の関東大会優勝だけでは満足できない。【金子真仁】