世代を超えたドラフト1位候補同士の投げ合いが実現する。U18W杯(30日開幕、韓国・機張)に出場する高校日本代表は25日、永田裕治監督(55)が都内で会見。

26日の大学日本代表との壮行試合(午後6時開始、神宮)に大船渡・佐々木朗希投手(3年)が先発することを予告した。大学代表は明大・森下暢仁投手(4年=大分商)が先発。両右腕が激突する。

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壮行試合の先発を問われた永田監督は「佐々木朗希です」と即答した。その2つ隣、佐々木は表情を変えず決意表明した。「光栄です。チームの流れを持っていける投球をして、世界大会につなげられたら」と真っすぐ前を見た。

前日の駒大との練習試合で、岩手大会準決勝以来、約1カ月ぶりに実戦登板。抑えとして9回の1イニングを無失点に抑えた。7、8割の力感でも常時150キロ超の内容に、永田監督は「スタッフと相談して決めました」と、その日のうちに先発を伝達。短いイニングを任せるつもりだ。

任された佐々木は「世界大会で勝つためには、大学代表にも勝たないとダメだと思います。全力で、無失点に抑えたい」と、前日よりギアを上げることを宣言。その心は「自分がいい入りをすれば、大会でもチームがいい入りができると思う」からだ。米国、韓国、台湾など難敵が相手。上の世代への挑戦は、いわば、W杯前哨戦だ。

個人的には、森下との投げ合いを喜んだ。普段から動画をチェックしていたという。「球速。コントロール。変化球も素晴らしい。今、プロに行っても通用するレベルの高い選手だと思います。自分にとってプラスになる。ベンチからも見て学びたい」と正直に明かした。ただ、「絶対に勝ちたいと思います」と付け足すことも忘れなかった。

この日のチーム練習は疲労を考慮され、前日に合流した奥川とともに別メニュー。キャッチボールも行わず、完全ノースローだった。「20人がそろった。いよいよ始まります」。世界一へ。まずは、神宮でアクセルを踏む。【古川真弥】