【機張(キジャン・韓国)2日】日本が手痛い初黒星を喫した。台湾戦は1-3の5回終了時に雨天コールド試合になった。2戦35得点だった絶好調の打線が相手の好左腕を打てず、雨の影響でミスが連発。試合後は仲井宗基ヘッドコーチ(49=八戸学院光星監督)からカミナリが落ちた。

3日は1次ラウンド最終戦のパナマ戦。しっかり勝って、スーパーラウンド進出を決める。

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帰りのバスに乗ろうとしたナインが呼び止められた。雨に邪魔されたモヤモヤの募る初黒星。輪の中心には仲井ヘッドがいた。

「そんなんで世界一取れるんか! 虚勢を張んな。上っ面なんていらん。そんな甘ないんじゃ!」

あまりのけんまくにスタッフも顔をこわばらせた。明るい一丸ムードで3連勝と快進撃を続けてきた侍ジャパンが緊迫感に包まれた。

敵は台湾だけではなかった。朝から大雨。一時は午後8時開始、さらに遅れるとの情報も入ったが結局、当初の予定通り午後6時開始。フリー打撃もシートノックもセレモニーも省かれた。異様な雰囲気だった。

そんな状況でも初回に主砲の石川が先制の左前打。幸先はよかった。ただ、台湾先発の王彦程は来季楽天入りの好左腕で、昨年のアジア選手権(宮崎)では日本打線を9回1失点に封じ込めている。好調の打線が結局はこの1点だけに終わった。今大会は分析担当の島田達二コーチはじめデータ班が機能。不眠不休で分析を進めてきた。仲井ヘッドは裏方の苦労に報いることができなかった自覚も選手に求めた。

1-1の5回に堅守熊田の2失策でピンチを招き、力投の先発宮城が左中間二塁打で2点を勝ち越された。2番手西が後続を切ったが、イニング終了(試合成立)後に雨脚が強まり中断。1時間後、雨は弱まったが運営側から「整備に3時間かかる」と言われ、コールドが決定。悔しい幕切れだった。永田裕治監督(55)は「最後、西が抑えてさあこれからと。流れが変わってくれればと思ったんですが…。残念です」と悔やんだ。この黒星はのちのち響く可能性が高い。今はパナマ戦に勝ち切って最低限のスーパーラウンド進出を決めるしかない。【柏原誠】

▽石川(初回の先制打など好調維持の2安打)「もう負けられない。雨とか、どんな状況であろうと勝っていくしかない」

▽熊田(5回の2失策が決勝の2点につながり)「最悪です。ミスなんてしている場合じゃない」