釧根地区は別海が釧路明輝・白糠・弟子屈・阿寒・根室・標津を5-2で下し、全道大会一番乗りを決めた。エース左腕の西川瑠恩(りゅうおん)が9回8安打2失点、13三振を奪い3試合連続完投。主将で4番の坂本晴斗遊撃手(ともに2年)が6回無死三塁で決勝の左中間適時二塁打を放つなど投打の軸が活躍し、00年秋以来19年ぶり2度目の全道切符をつかんだ。

最後の遊ゴロをさばいた坂本が、真っ先にマウンドの西川に抱きついた。5打数4安打1打点に2盗塁の坂本は「先制されて苦しかったけど、何とか西川を助けたかった」。今大会3戦27イニングを1人で投げ抜いた西川は「練習でたくさん投げているので疲れはなかった。やっとみんなで全道にいける」と喜んだ。

10年夏の北北海道大会で武修館を準優勝に導いた島影隆啓監督(37)が16年春に就任。14年から2年間、地元別海町の少年野球チーム、中春別ジュニアホークスを指導し、その縁で別海や中標津の有望選手が集まり始めた。中標津中出身の西川は「経験豊富な島影監督となら、甲子園に行けると思った」と振り返った。

島影監督は「最初は部員4人。苦しいときに支えてくれた選手や町の人や保護者の方のおかげで、ここまできました」と男泣き。19年前の秋全道は初戦で北見緑陵に1-11と大敗。コンビニエンスストア副店長をしながら指揮を執る異色の監督とともに、次は全道1勝を目指す。【永野高輔】