帝京が2本塁打を含む9安打15得点で、5回コールド勝ちした。

好機を確実にものにした。1-1の2回、1死から2四球と内野安打で塁を埋め、1番の武者倫太郎一塁手(2年)が左越えに2点適時二塁打を放ち、勝ち越し。3番の加田拓哉外野手(2年)の3ランも飛び出し、この回だけで7点を奪った。

4回にも、武藤闘夢遊撃手(1年)の3ランなどで7点を追加した。

前田三夫監督(70)は「得点力は増してるね」と、手応えを口にした。準々決勝で敗れた今夏の東東京大会では、4試合で6点しか奪えなかった。夏以降の打撃練習では、振るタイミングを重視。「最後までボールを見させた。量は大したことないですよ」。質を高め、確実に仕留めることを目指した。

2回に3ランを放った加田は「練習から、低めに手を出さないよう意識しました。今日は自分のスイングができました」と胸を張った。1点を追う初回は1死二塁で低めの変化球を見極め、四球を選び、同点につなげた。2回の1発は内寄り高めの直球を振り切った。

打線は、夏からの鍛錬が成果として出た。ただ、前田監督は「田代が悪かった。腕を振っても、ボールが高くいってしまった」と、5回6安打3失点(自責点2)の田代涼太投手(2年)への注文も忘れなかった。最後は「1つ1つ、やるしかない。秋は(次の試合まで)間がある。1つ勝てば、またうまくなっていく。楽しみながらやっていきます」と、やる気をみなぎらせた。