桐生第一(群馬1位)が集中打で桐光学園(神奈川2位)を圧倒し、4年ぶりの4強入りを果たした。来春センバツ出場をほぼ手中に収めた。

桐光学園の好左腕・安達壮汰投手(2年)を攻略した。3回まで1安打に封じられるも、4回に3連打で1点を取ると、さらに無死満塁で打席には無死満塁で5番の中島優月内野手(2年)が立った。

今泉壮介監督(40)の指示は「低めのスライダーは全部捨てろ」そして「好投手だから(失投は)1打席に1球しかないよ」。指示通り、初球の内角高め132キロを振り抜くと、打球は左翼席上段に届いた。「自分は打っていかないといけない選手なので」と、地元の中学軟式野球出身の強打者は笑顔を見せた。4回は6安打で6点を奪った。

コーチを務めていた今泉監督が現職に着任し、1年が過ぎた。自主性を重んじ、個々の長所を存分に発揮できる環境が整ってきた。中島は「監督さんを少しでも早く甲子園に出して、男にさせてあげたいと思ってやってきました。スタンドの選手たちも同じ気持ちです」と言う。

4回に放った6安打のうち、4本がファーストストライク。「特にこれという指導はしていないんですよ。でも、難しい球を打ってもヒットにならない。ファーストストライクを打つのが一番確率が高いと思うんです」。監督の理論を、選手たちが素直に実践。センバツ出場のかかる大事な試合に勝つべくして勝ち、相互関係も深まった。【金子真仁】