第92回センバツ高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)に21世紀枠で出場する帯広農が、発表から一夜明けた25日、同校グラウンドで約1時間半の雪上シート打撃練習を行った。

グラウンドに積もった雪を除雪し、打球速度が速くなるよう圧雪。内野陣は全員フェースガードをつけ、守備についた。甲子園で対戦する強豪の打球をイメージした練習で進化を図る。

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吉報から一夜、帯広農が早くもセンバツ対策に動き出した。目の前に広がるのは雪を押し固めたつるつるのグラウンドだ。土と違いバウンドしても減速せずに伸びてくる。前田監督は「大阪桐蔭をイメージした。こういう打球が捕れないと甲子園では勝てない」。雪国ならではの“高速リンクトレ”が始まった。

雪上練習は例年2月から行っていたが、今年は早めに実戦感覚をつけようと8日の練習初日から実施。当初は積雪を残しクッション性のあるグラウンド上で行っていたが、23日に除雪。梶祐輔三塁手(2年)は「雪が残っていたときとは比べものにならないぐらい打球が速い。ショートバウンドもしっかりグラブを立てないと止められない」と感想を口にした。

昨年は江森誠祥二塁手(2年)が打球を顔面に当て鼻骨骨折。それ以降、前田監督から「速い打球はよけていい」と指示が出ていた。今年は、高速打球を捕るため内野陣は全員、新たに購入したフェースガードを着用。千葉俊輔遊撃手(2年)は新アイテムをつけ「まったく怖さはなかった」とボールに食らいついた。

前田監督は「甲子園に向け競争意識を持ってほしい」と、シート打撃のチーム分けを、昨秋の主力と控え組でシャッフル。選手全36人で臨む2月13日からの4泊5日の兵庫・淡路島遠征は、1回目のメンバー選考に向けた合宿となる。まずは雪上で火花を散らし合い、戦意を研ぎすませていく。【永野高輔】