島根県高野連は10日、理事会を開き、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、17日から開催予定だった春季地区大会と24日から予定した県大会を中止すると発表した。

中止を受け、今春から8年ぶりに開星に復帰した野々村直道監督(68)は「(監督就任を)受けたからには夏までの数カ月でできる限り(指導を)してやろうと思っていました。春がスタートだった」と残念がった。自身の野球人生を振り返っても、ウイルスの影響で全国各地の大会が中止となる状況は「あり得ない話ですね」と未曽有の事態に驚いた様子だった。

3月1日付で監督に復帰したが、新型コロナウイルスの感染拡大のため部活動が自粛となり、指導を開始したのは25日から。野球を通じての学習や常識ある日本人の育成といった「人間育成」に重きを置く指導は今も変わらない。今回の事態を受け「今まで好きで野球をやれるのは当たり前と思っていたと思う。戸惑うでしょう。普段の生活も当たり前ではなくて、生きていることも奇跡。まして好きな野球をできるのもありがたいと学んでほしい」と、生徒への思いを口にした。

島根県では、9日に松江市内で初の感染者が確認され、市内にある開星の野球部は10日から3日間練習を休止する。活動再開となれば「命懸けてベストを尽くして、いいかげんな気持ちでやるなよと、結びつけていけたら良いなと思います」と話した。【望月千草】