群馬で4年連続夏優勝を続けていた前橋育英は、26日に桐生工-渋川の勝者と初戦を戦う。主将の須永武志捕手(3年)は、父稔さん(49)母伸恵さん(50)に決意をしたためた。選手権がなくなった今夏。球児たちはどんな思いで試合に臨むのか。直筆の手紙とともに随時掲載していく。

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昨夏甲子園の雪辱を期していた。1回戦の国学院久我山(西東京)戦。強肩捕手として先輩エースをリードした。ところが、5-3で迎えた7回2死走者なしから5連打で逆転され敗れた。「今思い返すと、投手と意思疎通ができませんでした。もっと投手を持ち上げないと。捕手としての勉強が足りませんでした」。

両親の言葉が奮い立たせてくれた。「来年も絶対甲子園来ような」。昨秋は県準優勝で関東大会に駒を進めるも、初戦敗退。センバツは消えた。「夏一本に絞ってました」。その機会も失われ、もう甲子園には立てない。両親の思いに応えられなくなり「悔しくてたまらない」と打ち明けた。

だが、下を向いてばかりもいられない。代替大会が始まる。将来はプロで活躍し、親孝行したい。最後の夏を、描く未来の通過点とする。【古川真弥】