雫石の双子の兄・高橋航輝中堅手と弟・翔大右翼手の3年生外野手コンビが紫波総合7選手と連合を組み、高校最後の公式戦を終えた。部員不在だった野球部を復活させ、入学時から「2人野球部」で存続を維持してきた。花巻南に0-7の7回コールドで敗れたが、試合後は「3年間、一緒にやり切れてよかった」と笑顔に変わった。

高校最後の試合は2人とも無安打に終わった。応援席では祖父・和夫さん(66)、母・香織さん(40)、弟・祐貴さん(小6)、妹・綾香さん(4)が観戦。4番打者の航輝は「家族の前で公式戦で勝つ姿を見せたかった」。6番打者でコールド負け目前の7回表2死、フルカウントから四球出塁の翔大は「自分で終わらせたくなかった」と最後まで諦めなかった。

13年、楽天の日本一に感動し雫石中から野球を始めた。ともに中学ではレギュラーになれなかったが、高校では1年秋から他校との連合チームで公式戦出場。母・香織さんは「2人とも頑張った」とたたえた。ともにメガネ着用で見分けるのは難しいが、航輝は下方部のふち無しを愛用する。雫石は秋から再度、部員不在になる。2人は「連合を組んでくれた紫波総合はチームメート。支えてくれた家族や先生や地域の方々に感謝したい。(新1年生が)来年入ってほしい」と期待した。【佐々木雄高】