福岡県独自の代替大会は11日、九州各地を襲った記録的な豪雨の影響で、筑後地区大会の全4試合が中止になった。

会場だった大牟田延命球場は、本部席などが浸水した。久留米市野球場もグランドコンディションが悪く、審判室に水が入るなどの被害を受けた。

福岡県高野連関係者は、中止の理由について「昨日(10日)の時点で、朝から天気予報が無理だろうと思っていた。午後からも良くないので」と説明した。

冠水被害に遭った久留米市など複数の自治体で、臨時休校措置もとられる大惨事だった。野球部員の被災について、同高野連関係者は「久留米では聞いていない」という。だが近隣の朝倉市では「朝倉(高校)に、家が浸水にあった生徒がいるようです」と話した。

この日、西日本短大付は試合予定だった。だが移動前に中止が決定。92年夏甲子園優勝時の4番打者だった就任1年目の高原典一監督(45)によると「野球部員の中に被災者はいない」という。練習グラウンドの状態が雨で悪く、打撃練習は室内で行った。

昨夏準Vの同校は、緊急事態宣言が出された4月から1カ月間全体練習ができなかった。5月下旬から再始動していた。だがコロナ禍、甲子園への道が閉ざされ「(選手に)何と言っていいか分からなかった。無責任なことは簡単に言えなかった」と高原監督。それでも球児は、自然災害とも向き合いながら力強く歩を進めている。【菊川光一】