大阪大会では大阪桐蔭が2試合連続コールド勝ちした。強力打線を引っ張るのが、2年生の1番打者、池田陵真外野手だ。2回に2試合連続となるソロを放つなど2安打1打点。172センチ、83キロと小柄ながら分厚い胸板のマッチョ系切り込み隊長だ。

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池田が強烈なライナーで大阪桐蔭打線に火をつけた。初回、あと数十センチで柵越えの左翼フェンス直撃二塁打。池田からの4連打などで初回に4点を奪った。2回に再び先頭で打席に入ると今度は左翼へ豪快なアーチでソロを放った。「入らないかなと思ったけど、行ってくれてよかった」と、分厚い体になってパワーが増したことに驚いた。西谷浩一監督(50)は「いい状態なので、早めに代えました」と独自大会は他の野手も使いたい考えもあり、2打席でお役御免となった。

2試合連発で通算8号、公式戦では前日に続き2本目だ。西谷監督も「気持ちの強い子。先頭打者向き」と、性格も生かし1年秋から1番・中堅で起用している。もともとは捕手。中学時代はU15侍ジャパンにも選ばれた。その時同じく捕手で選ばれた坂玲哉捕手、池田と交代で中堅を守った花田旭外野手(ともに2年)ら代表20人のうち5人が大阪桐蔭でチームメートとなった。

新型コロナウイルスの影響で部活動が停止になったのは2年生の池田にとっても同じ。寮が閉鎖された時は実家に戻り、趣味の筋肉トレーニングを続けた。寮では携帯電話が禁止されているが、家で大好きなOBの西武・森友哉の打撃フォームの動画を見て研究した。「今の(プロでの)姿。思い切ってフルスイングしているが、追い込まれるとミート中心に変わる」と19年パ・リーグ首位打者の打撃を頭にすり込ませた。森が大阪桐蔭2年の時、夏の甲子園で優勝した決勝戦を甲子園の外野席で見ていた。今度は池田がテレビの向こうの少年に「大阪桐蔭」のヒーローとして憧れの存在になる番だ。【石橋隆雄】