9回の逆転サヨナラ負けに、帝京・前田三夫監督(71)は「2時間10分、勝っていて、5分で負けましたね」と苦笑いで切り出した。

先発の田代涼太投手(3年)が8回まで強打の東海大菅生打線を1安打に抑えた。前田監督の当初のプランでは「5回までもてば」だったが、予想を超える好投だった。「制球に問題があるので、代え時を1回から見てました」。

9回、先頭に中前打を打たれ、次打者にストレートの四球。ここで捕手に伝令を送った。新垣の答えは「変化球は合っていない。変化球はいけると思います」だった。結果、無死一、二塁で森下に高めのスライダーを打たれ、左中間に同点の2点適時三塁打。そこで柳沼に交代したが、申告敬遠で無死満塁とした後、中前にサヨナラ打を打たれた。

前田監督は「(新垣の言葉を)信用したのがどうか、ということではありません。『もう1人』と続投させました。今考えれば代え時だったのかなと思いますが、ただ、1安打、2安打ですから。どうして変化球が打てないのかなと思っていて、このままでいこうと思いました。打たれてなかったので、あの展開では難しかった。(続投は)温情ではありません」と継投の難しさを口にした。