智弁学園(奈良)は延長10回タイブレークの末、サヨナラ負けで力尽きた。

初回、先発の西村王雅投手(2年)が「序盤は足が地に着かなかった。緊張もあって自分の投球が出来なかった」と自身の暴投で1点目を献上。1死一、二塁からは連打を浴び、この回3点を奪われた。

だが、4回には昨秋の公式戦で14本塁打した強打の一端を発揮。最速154キロの今大会注目右腕・高橋宏斗投手(3年)相手に、2死満塁から押し出しで1点を返すと、9番西村の2点適時打で同点とした。

中盤からは投手戦。西村は「3年生と最後に勝ちたくて、絶対自分で勝つと思って投げました」。世代屈指と言われる高橋との投げ合いにも臆することなく、右肩上がりに調子を上げ、4回には3者連続三振。初回以降は3安打に抑え込んだ。

幕切れは思わぬ形となった。タイブレークとなった延長10回、西村が先頭打者のバント処理を誤り無死満塁とされ、西村友哉外野手(3年)が二飛で、インフィールドフライが宣告されたが二塁手が落球。サヨナラの走者をかえした。

9回から変わった二塁手の錦織拓馬(3年)は「大事にいこうと思って大事に行き過ぎた」と慎重さが裏目に。打球がグラブに当たり落球する間に走者が生還。ゲームセットの瞬間は、多くの選手が黒土にうずくまった。

西村は9回1/3を7安打4失点(自責2)と力投。「強い相手と出来て、実力知れた。もう1回チームを作りなおして春夏(甲子園)に出たいです」と巻き返しを誓った。