今夏県王者のノースアジア大明桜が初戦で姿を消した。好機で1本が出ず、延長13回タイブレークで敗戦。来春のセンバツ出場は絶望的となった。

プロ注目で最速150キロ右腕のエース風間球打(2年)は「4番右翼」で出場し、3回無死一、二塁から3番手で救援した。5四球と制球は乱れたものの、11回を2安打1失点(自責0)12奪三振。145球の熱投も実らなかった。

4番としてまずは打で存在感を示した。2点を追う4回1死。甘く入ったスライダーを捉え、右翼芝生席に高校通算3号となる反撃のソロを運んだ。「(最初は)野手で試合に出てたので、自分が打ってピッチャーを助けたいという思いだった」。すでに自身がマウンドに立っていたが、チームに勇気を与えた。5回に同点としてからは膠着(こうちゃく)状態が続いた。

3回から登板した風間は無安打投球を続け、10回1死に初安打を許すも、後続はきっちり抑えた。2-2で延長12回を終え、無死一、二塁から始まる13回のタイブレークに突入。先攻の明桜は先頭打者の風間が進塁打を放ち、1死二、三塁とお膳立て。しかし、次打者がスクイズ空振りで三振、さらに飛び出した三走もタッチアウト。併殺プレーで得点できなかった。それでも風間は同裏に2者連続三振。流れを呼び戻し、2死までこぎ着けたが、甘く入ったスライダーを右越えに運ばれ、サヨナラ負けを喫した。

風間は「途中から投げて慌てずにうまく抑えられていたが、甘いところが出てしまった」。県初戦敗退でセンバツ出場は絶望的。「甲子園に2回出るチャンスがあったが、今日で1つ終わってしまった。来年の夏は先輩の思いを背負って何とか甲子園に出たい」。チームは貧打に泣き、今冬は特に打撃強化が求められる。我慢合戦が続いても絶対にゼロを並べる。「ここぞで抑えられるピッチャー」を目指し、さらなる進化を遂げる。【山田愛斗】