キャプテン清宮が初陣で大暴れした。新チームから主将に就任した早実・清宮福太郎内野手(2年)は4番一塁で先発し、3打数2安打5打点1本塁打の活躍だった。1回1死二、三塁で、右翼線に先制の2点適時二塁打。3回無死一、二塁では左越えに3ランを放った。

ファーストストライクを豪快に振り抜いた。3回の第3打席。1ボールから放った打球は、左翼後方の防球ネットを越え、室内練習場の屋根に直撃した。「(高校通算)10本ぐらい。自分のやることをやるだけと思って打席に入った。打った瞬間入ったと思った」と手応えを口にした。重責を物ともせず、秋公式戦初戦でいきなり結果を出して、5回コールド勝ち。本大会進出に大きく貢献した。

兄幸太郎(現日本ハム)も早実時代に主将を務めた。夏の独自大会後に和泉実監督(59)から任命された。指揮官は「去年から試合に出ていて、選手の中でも清宮という感じがあった。そういう意味では彼しかいないと。よくやってくれている」と期待している。人生で初めての大役。新主将は「キャプテンをやることによって、これからの自分の野球人生にプラスになるかなと感じている」と前を見据えている。

チーム事情を考え、外野手から一塁手に転向した。「ファーストがなかなか決まらなかった。自分が行くことではまればいいかなと思った」とチーム全体も見渡す。名門の主将として、4番として。自覚を胸に、まずは17年以来のセンバツに導く。【湯本勝大】

◆清宮福太郎(きよみや・ふくたろう)2003年(平15)7月3日生まれ。東京都出身。早実初等部1年時に野球を始め、5年からは東京北砂リトルでプレー。世界大会で優勝。中等部時代は調布シニア。早実では1年夏に背番号19で公式戦デビュー。2年秋から主将。182センチ、99キロ。右投げ右打ち。