大曲工が準Vの16年以来4年ぶりに8強入りした。昨夏県王者の秋田中央に4-3でサヨナラ勝ち。昨年の全国中学軟式野球大会でエースとして3位に導いた1年生右腕・長淵星河(せいが)が先発し、7回2失点の好投。同点の9回に主将の斉藤颯大内野手(2年)がサヨナラ打を放った。

長淵はスライダーを軸に内野ゴロを量産。役割を全うして先輩投手にバトンを渡した。「キャッチャーの指示通りに自分の持ち味の低めで打ち取る投球ができた。後ろにいい投手がいるので、行けるところまでと思っていた」。0-2の7回に代打を送られ、お役御免もチームはこの回に逆転。9回に1度追いつかれたが、すぐに勝ち越した。

長いイニングを投げるスタミナ配分は、中学時代から身に染みついている。力を入れる場面、抜く場面を瞬時に察知し、強弱つけた堂々のマウンドさばきで打者と対峙(たいじ)する。遊撃手の斉藤颯は「リズムが良くて守っていて気持ちが良かった」と評し、長淵は「苦しい展開でもバックの先輩を信頼してできている。打ち取る投球で次も勝利に貢献したい」。全国3位の実力をいかんなく発揮していく。【山田愛斗】

▽秋田中央・野呂田漸(ぜん)主将(2年=3打数1安打で初戦敗退)「甘い球を捉えられなかった。自分が打たないとチームの雰囲気が下がるので、コンスタントに打てる選手になりたい」