文京が“クセの強い”継投で本大会出場を決めた。

先発は背番号10の恒川望投手(2年)。地面スレスレから投げるアンダースロー右腕は「調子が良くて、ストライクが入りました」と丁寧に低め、低めを突き、芝打線を7回途中まで散発3安打1失点に抑えた。

5-1の7回1死から四球を出し、次打者の初球が高く入り左前打を打たれた。ここで左打者を迎えると、すかさず背番号1の林将吾投手(2年)にスイッチ。インステップから投げるサイドスロー左腕は「恒川が試合をつくってくれた。走者を出しちゃいけない」と内野ゴロ2つで後続を断ち、そのまま9回まで0を続けた。

右下→左横の継投。梨本浩司監督(56)は「先発(恒川)がつかまったら左(林)に代える。新チームの戦い方です。右下手から左横手で、相手の戸惑いを狙います」と説明した。「本当は、右のオーバーからピュッと投げる投手がいれば。140キロ、150キロ、投げる投手がいれば、監督は座って動きませんよ」と冗談めかしもしたが、いかに戦うか、練った末の継投策だ。

恒川は中学3年時に左膝の靱帯(じんたい)を痛めた。高校入学後の1年間はリハビリにあてた。中学ではサイドスローだったが、より特長を出そうとアンダースローに変えた。リハビリ中、ひたすら走ったことで、沈み込む投げ方に耐えられる下半身を身につけた。

林は以前はスリークオーター。だが、制球が課題だった。サイドに変えたことで安定した。

2人とも、試行錯誤して今のスタイルをつかんだ。

恒川 林が後ろにいると安心です。

林 恒川の遅めのボールに相手が慣れたところで自分がいく。恒川のおかげで、やりやすいです。

本大会も、このタッグで勝ち進む。