藤枝明誠が、秋の県大会2連覇を果たした。打線が21安打16得点の猛攻で常葉大菊川を圧倒。1番宮城佑弥内野手(2年)が4安打でけん引した。先発の小林輝(てる)投手(2年)は8回4安打無失点と好投した。16得点は、これまでの14得点を上回り、秋季県大会決勝史上最多記録。3位決定戦では、加藤学園が三島南に快勝し、残り1枠の東海切符をつかんだ。東海大会は来月13日に抽選会が行われ、同24日に三重県で開幕する。

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9回から右翼の守備についた藤枝明誠の小林は、最終打者の右飛をしっかりとグラブに収めた。「ウイニングボールが飛んできて驚いたが、自分が捕って終われてよかった」と、ほおを緩ませた。この日は投球もさえ渡り、自身公式戦初の無四球投球で強打の相手打線を封じた。

前日準決勝の加藤学園戦から計17イニング1失点。鉄腕の奮闘に、打線も猛打で応えた。先発全員の21安打。1番宮城は、サイクル安打へあと本塁打だけに迫る活躍で「(サイクル安打は)頭にあったが、本塁打を狙うと自分の打撃が崩れると思い、気持ちを抑えた」と振り返った。

打線は4安打に終わった富士宮西戦(1回戦)後、打撃を修正。打ち気にはやり、打席内で体が前のめりになる課題に対し、あえて緩い投球を打ち続けた。その結果、体の開きが抑えられ、相手投手に力負けしない打撃を身につけた。対掛川西の2回戦でプロ注目の沢山優介投手(2年)を攻略し、勢いに乗った。

2年連続県1位での東海大会出場だ。昨年は同4強も、県決勝で破った加藤学園にセンバツ出場権を譲った。川瀬譲二主将(2年)は「あの悔しさは忘れたくても忘れられない。今年こそセンバツ切符を取りたい」。痛恨の思いを力に変え、次の舞台で大暴れする。【河合萌彦】