県内屈指の進学校・青森が43年ぶりの秋東北大会に惜しくも届かなかった。

先発した伊藤敏生投手(2年)が初回2死から4連続四死球で1失点。2回も3連続四死球で満塁のピンチを招き、1回0/3で降板した。2番手の中園遼太外野手(2年)も失策などが絡み3点を追加された、2回までに被安打0で4点を先取された。成田統監督(39)は「ノーヒットで4点も取られていると、上では勝ち上がっていけない。夏に向けて投手陣と守備の整備が必要だと感じました」と唇をかんだ。

ただ、打線は奮起した。0-4の4回1死一、二塁、5番中園が適時三塁打を放ち2点差に。8回には4番外川航太郎捕手(2年)の適時打で1点差とし、続く中園も二塁打で1死二、三塁と一打逆転の場面を演出した。しかし、後続が連続三振に倒れ力尽きた。成田監督は「最後まで逆転できる雰囲気があった」とナインの健闘をたたえた。

同校は旧制三中の流れをくみ、文豪の太宰治、劇作家の寺山修司、歌手の佐藤竹善ら多彩な人材を輩出するなど、地元では「青高(せいこう)」の愛称で親しまれる。今月11日には創立120年周年の記念式典が挙行された。

夏の甲子園4度出場を誇る野球部は文武両道を貫き、平日は2時間半と限られる練習時間を工夫しながら、帰宅してからも自主練習、朝6時半からの早朝練習でも汗を流す。理系で数学が得意の横内翔唯(かい)主将(2年)は「しんどくても授業は寝ません。限られた時間で効率良く練習しないといけない。キャプテンとして、チームにどんどん発信していきたい」。将来は研究者を志し、難関国立大進学も視野に入れている。「明後日からテストなんですよね。最大限の努力をします」。77年以来の東北大会出場こそつかめなかったが、県4強の自信を胸にバットをペンに持ち替え、机と向かい合う。【佐藤究】