連覇を狙う仙台育英は約2時間の全体練習を行い、走者を置いた打撃練習で汗を流した。

主将の島貫丞(じょう)外野手(2年)は「試合や練習を重ねるに連れて、細かいズレも修正できている。自信を持って、決勝戦に臨めます」と言葉に力を込めた。今年最後の公式戦を白星で飾り、来春のセンバツにつなげる。

異例の秋に「宮城勢対決」が実現した。県内は他の東北5県に比べて、コロナ禍の影響による自粛期間が長く、練習も満足にできない日々が続いた。少なからず、新チームにも影響はあった。しかも、今秋は敗者復活チャンスもある各地区予選が中止され、全県トーナメント方式で負ければ終わりの一発勝負となった。須江航監督(37)は「手探りの状態で戦い、しっかり結果を残しているのはすごいこと。(同じ宮城県の)柴田高校と決勝で戦えるのは、とても価値のあることだと思います」と言葉に感慨を込めた。

現チームは3年生の思いも背負って戦っている。昨秋は3年ぶりの東北王者でセンバツ切符をつかんだが、甲子園は幻に消えた。島貫主将は「選手全員が(3年生から)『日本一』を託されたと思ってやっている。3年生が残してくれた伝統を引き継いで、優勝を目指したい」と気持ちを引き締めた。【佐藤究】