仙台育英(宮城1位)が地元開催の同県対決に圧勝し2年連続11度目、創部90年で初の秋東北連覇を飾った。県1位校を3連破して勝ち上がった柴田(宮城3位)を18-1と圧倒し、秋決勝では史上最多得点をマーク。3回裏に5番秋山俊外野手(2年)が満塁弾を放ち、6回裏には4番吉野蓮内野手(2年)も満塁弾で続くなど、3本塁打を含む15安打と打線が爆発した。準優勝の柴田は大敗はしたが、来春センバツ出場は有力。

   ◇   ◇   ◇

柴田躍進を陰で支えたのは、記録員でベンチ入りした長山聖(ひじり)マネジャー(2年)だ。選手32人の“聖母”的存在。部員の誕生日にはバースデーカードを贈り、1人1人を激励する。練習や練習試合でミスしたり、精神的に落ち込んだ選手がいれば「げんき薬」「笑顔になる薬」を“処方”。「薬局で購入した袋の裏にびっしりとメッセージを書いて渡しています。誰でもつらくて泣きたくなってしまう時もあると思う。少しでも前を向く力になれたらと思って」。大会前にはムードメーカー市川爽(2年)が平塚監督にカミナリを落とされて“病”に。「市川が笑顔じゃないと皆も笑顔になれないよ。元気な市川が好きだからね」などの“薬”が効能抜群。大会直前にメンバー入りを勝ち取る背中を押した。

厳しい寒さだった東日本国際大昌平(福島)との準々決勝ではカイロを人数分購入し、「全員で団結」と黒ペンで書き込んで手渡した。試合中には球場全体に響く「5番、セカンド、ライトいってま~す」。相手打者の打球方向を伝達する。「甲子園に行けるまでに、温かい家族みたいなチームになれたらいい」と笑った。【鎌田直秀】