第88回選抜高校野球(3月20日開幕、甲子園)に21世紀枠で出場する釜石(岩手)が2月29日、同校で選抜旗授与式と壮行式を行った。21日から前日28日まで釜石市と姉妹都市にあたる愛知・東海市で7泊8日の合宿を行った。合宿中、「世界一の朝礼」で知られる居酒屋てっぺんの大嶋啓介社長(42)の講演を聴き、イメージトレーニングの重要性を再認識。対外試合解禁の3月8日から茨城に遠征し、土浦日大、水城と練習試合を行う。
居酒屋てっぺん直伝の「世界一の朝礼」でてっぺんを目指す。壮行式で、選抜旗を持って入場行進の先頭に立った菊池智哉主将(2年)は強気に宣言した。「まずは初戦突破で釜石の歴史をつくりたい。そして4強の壁を超えたい」。20年ぶりの出場で初勝利を狙うどころか、00年の宜野座(沖縄)、09年の利府(宮城)の過去2校しかない21世紀枠の最高成績4強を超えて、一気に頂上まで見据えた。
居酒屋てっぺんは、大嶋社長発案の「世界一の朝礼」と呼ばれる始業前の絶叫あいさつが名物。自分の夢を大声で叫び、拍手でたたえ合って、お互いのヤル気を高め合う。昨年9月、同校の2年生を対象とした進路講演会で同社長が講師を務めた。センバツ出場決定を機に、大嶋社長から直接ナインに会って激励したいと連絡があり、東海合宿中の2月24日に再会が実現した。菊池智は「夢はあきらめないで追い続ければかなうなど、精神面を教えていただいた」と振り返った。
その2日後には三重・桑名店から4名のスタッフが駆けつけ、「生朝礼」を目に焼き付けた。菊池智は「自信満々で夢を絶叫していた。すごい笑顔で堂々と話していた。朝礼を繰り返すことでメンタルが鍛えられる」と、しゃがれ声で語った。「朝礼イメトレ」は現在、釜石流にアレンジしており「センバツのためにつくるのではなく、日々できるようにやっていきたい」と思案中のようだ。
吉兆でもある。昨秋の地区予選初戦負けでチームが沈んでいた時に大嶋社長の熱弁を聞き、その日の練習は見違えるほど活気が出たという。翌日の大船渡東戦に勝ち、県大会準優勝、東北大会出場を勝ち取った。菊池智は「あれがその後勝てた要因。気持ち的に強くなれた」と力を込めた。センバツでは釜石の熱のこもった朝礼が見られるかもしれない。【高橋洋平】