常葉学園橘8年ぶり優勝 イケメンエース谷脇が活躍

常葉学園橘対日大三島 力投する常葉学園橘先発の谷脇

<高校野球春季静岡大会:常葉学園橘4-1日大三島>◇7日◇決勝◇草薙

 常葉学園橘が4-1で日大三島を破り、8年ぶり3度目の優勝を飾った。エース谷脇亮介(3年)が3安打12奪三振で1失点完投。3回には好走塁で先制ホームを踏み、9回にはダメ押しの適時三塁打を放った。今春就任した小林正具監督(53)の下、チームは課題の打力も向上。この勢いで、4年ぶりに夏の甲子園切符を勝ち取る決意だ。

 最後の打者を併殺打に仕留めると、イケメンエース谷脇が、さわやかスマイルを見せた。仲間とタッチを交わし、頂点に立つ喜びを味わった。

 谷脇 中高を通して初めての優勝で「やってやったな」という気持ちです。今日は腕も振れてストレートも伸びました。投げていて楽しかったです。

 自己最速を2キロ更新する141キロの直球を軸にグイグイと押した。内角直球で追い込み、最後は外角に逃げるシンカー。好調日大三島打線に的を絞らせなかった。「140キロの壁を越えたことはうれしいです。相手は気にせず自分の投球を心掛けました」。

 投げて、走って、打って、文字通りの大活躍だった。3回表1死二塁、長倉朋哉(3年)の二塁打と相手失策の間、先制のホームを踏んだ。相手捕手のタッチをかいくぐる好走だった。3-1で迎えた9回1死二塁の場面では、ダメ押しの適時三塁打を放った。「打撃は得意ではないですが、自分も塁に出て貢献しないと夏は勝てない。意識が最近、変わってきました」。

 今春就任した小林監督からの影響も大いに受けている。「すべては夏のために」を合言葉に、意識高く練習に取り組んできた。「打てなければ勝てない」と、打撃練習の時間を増やした。守備のコンバートや控えだった選手を起用するなどし、チーム内の競争心を高めた。指揮官は「勝つ喜びを味わわせてやりたかった。(常葉学園)菊川や静岡と対戦できたことも大きいですね」と優勝を喜びつつも、「谷脇はまだ60点。もっと精度を高めて欲しい。(チームの)打撃も、もっと振り込んで夏を迎えたい」と言った。

 谷脇自身も「最後の夏を全力で戦いたい。目指すは頂点です」と気を引き締める。準決勝では2年の鈴木楓が静岡に完投勝利。投打の充実した常葉学園橘が、夏の本命に躍り出た。【鈴木正章】