清宮量産90、91号!今月中にも高校新108号だ

17年4月、春季高校野球東京都大会決勝の日大三戦 8回裏1死一塁、本塁打を放つ清宮

 また打った! 早実(東京)清宮幸太郎内野手(3年)が、史上1位とされる神港学園・山本大貴の107本超えを視野に入れた。4日、都内のグラウンドで秋田中央と練習試合に臨み、ダブルヘッダーの1試合目で高校通算90号の2ラン、91号のサヨナラ3ランを放った。4月15日の春季東京大会の準々決勝・駒大高戦の2打席連発から、4試合連続を含む9試合で12発。この間の本塁打率(打数÷本塁打)は3・17。驚異のハイペースで新記録へと突き進む。

 インパクトの瞬間、スタンドから感嘆の声が漏れた。2点ビハインドの9回2死一、三塁、打った清宮はゆっくりと走りだし、威風堂々とダイヤモンドを1周した。劇的なサヨナラ3ランに球場が騒然とする中、ホームベースを踏み、ゲームセットの礼をする列の先頭に加わった。

 変則右腕の変化球を粉砕した。秋田中央のマウンドに立ったのは、昨秋に背番号1をつけた鈴木嘉文投手(3年)。2年春から西武牧田を参考にアンダースローに転向した変則右腕のスライダーを、右中間の防球ネットを越える場外に運んだ。相手投手を「スイングが速くて、ボールが一瞬で消えた」と驚かせる強烈な1発で試合を決めた。

 両親が見守る中、1回には史上4人目とされる高校通算90号のメモリアル弾を放った。1死一塁から、安田圭佑投手(2年)の真ん中高めの直球を強振。外角を狙ったボールがわずかに真ん中に入った失投を見逃さず、安田を「オーラが違うというか、威圧感があって、投げづらさを感じた」と脱帽させた。

 驚異的なペースで量産態勢に入った。3月8日の早大B戦の79号以降、39打席ノーアーチだったが、春季東京大会の準々決勝・駒大高戦で呪縛を解くと、9試合で12発。この間の本塁打率(打数÷本塁打)は驚異の3・17をマークする。公式戦のデータだが、1年時は10・29で、2年時は5・89。数字が清宮の進化を物語った。

 史上1位とされる神港学園・山本大貴の107本超えも視野に入った。今月は熊本と沖縄への招待試合、練習試合が組まれ、21日には春季関東大会の初戦を迎える。勝ち進めば最大で17試合行われる可能性があり、1試合1本のペースなら新記録の108本に到達する。この日は学校の方針で取材は設定されなかったが、豪快なアーチに、雄弁なメッセージを感じさせた。【久保賢吾】