仙台・佐藤隼輔、最速141キロで仙台育英斬りだ

4日、東北学院戦に先発し14奪三振で完封した仙台・佐藤

 プロ注目の好投手が春を熱くする。20日に開幕する春季高校野球宮城県大会(石巻市民球場ほか)の組み合わせ抽選会が15日、仙台市内で行われた。仙台のエース左腕佐藤隼輔(3年)は最速141キロを誇る。1回戦は21日に登米との対戦が決定。勝ち上がれば24日の2回戦で、4月の中部地区予選で好投したセンバツ出場の仙台育英と再戦する。上位3校が東北大会(6月8日開幕、宮城)に出場する。

 仙台の笹口大輝主将(3年)が引いたくじは16番だった。隣の15番には、2回戦から登場する昨秋の東北王者・仙台育英。もちろん、1回戦の登米も侮れない。「特に相手を意識することなく、目の前の試合に集中」。敗者復活戦を勝ち抜いてつかんだ県大会切符。捕手としてエース佐藤隼を支える同主将は、一戦必勝で春に臨む。

 佐藤隼も同じ気持ちだろう。ただ仙台育英と再戦となれば、周囲が大きく注目する。4月の中部地区予選準々決勝では、8回に2点を奪われて敗れたが7回まで無失点。この日、仙台育英・西巻賢二主将(3年)は「早い段階で相手投手を攻略したい」と課題を挙げた。センバツにも出場したキャプテンにそう言わせたのは、間違いなくプロ注目左腕の好投だ。

 180センチ、76キロの恵まれた体格。仙台育英戦でプロのスカウトのスピードガンは、佐藤隼の自己最速となる141キロを計測した。「インコースの直球、スライダーは通用する」と手応えをつかんだ。地区予選は4試合2完封、30回2/3を投げて35三振を奪った。15年夏の宮城大会開幕戦では、1年生ながら3失点の完投勝利。早くから大器の片りんを見せていた。

 昨秋は地区予選で敗退し、県大会に出場できなかった。石垣光朗監督(53)は「気持ちばかり先走って、フォームのバランスを崩していた」と分析する。力みが目立ち「腕の位置とか、リリースポイントが定まっていなかった」と笹口主将。そのため、冬場は体全体を使う投球フォームを取り戻すことを強く意識した。バドミントンのシャトルをネットにつり下げ、キャッチャーミットより小さい的として制球力を磨いた。

 「まずは(8強で)夏のシード権。東北大会に出場して、県外の強豪に自分の力を試したい」と佐藤隼は燃える。その目標達成には、仙台育英撃破が必要になる。

 ◆佐藤隼輔(さとう・しゅんすけ)2000年(平12)1月3日、山形県生まれ。愛子小4年から愛子スポーツ少年団で野球を始め投手一筋。6年でリトルリーグの折立スパローズに所属し、全国選抜大会優勝。広瀬中では軟式野球部で東北大会準優勝。宮城県選抜メンバー。仙台では2年秋からエース。家族は両親と姉。180センチ、76キロ。左投げ左打ち。血液型B。