北照9年連続33度目代表 161センチ山崎2打点

小樽水産対北照 4回無死一塁、二塁への内野安打を放つ北照の山崎(撮影・西塚祐司)

<春季高校野球北海道大会小樽地区予選:北照6-1小樽水産>◇代表決定戦◇17日◇小樽桜ケ丘

 小樽地区で北照が9年連続33度目の代表切符を手にした。小樽水産との代表決定戦は、6-1での快勝。大阪出身で161センチの小兵9番山崎柊斗遊撃手(3年)が4打数2安打2打点で、3点に絡む活躍を見せた。

 北照が誇る“浪速の小兵”が躍動した。1-0の2回2死一、二塁。山崎は右翼手の頭上を越える2点適時打を放った。4回無死一塁では二塁への内野安打で出塁。その後、満塁となり2番後藤竜希捕手(3年)の左前適時打で二塁から一気に生還した。6得点中3点に絡み「序盤に得点して試合を進めようと思った。貢献できて良かった」と話した。

 「笑顔がかわいい、みんなのアイドル」。打席に立つと応援団はリズムに乗せて山崎を紹介する。身長は部員66人で2番目に小さい161センチで「少し高いライナー性の打球が捕れないのがきつい」と苦笑いする。豪快な打撃をする選手が多い中、バントが得意で守備をかき回せる貴重な存在としてこの春、背番号をゲットした。03年から野球部に関わる上林弘樹監督(37)は「こんなに小柄でスタメン出場してるのは(10年夏甲子園メンバーだった)158センチの石田純平ぐらいかな」と振り返った。

 大阪出身で甲子園を目指し小樽の強豪の門をたたいた。入学時は158センチ、52キロと高校球児としては細めの体形。寮生活では朝と晩でご飯は最低3杯をかきこみ、プロテインも摂取。体重は2年間で10キロ近くアップした。冬場は全体練習後も筋トレで鍛え、チームメートに負けないガッチリ体形を作り上げた。小技のほかに長打も持ち味になった。

 この日、主軸3人は計2安打と低調だった。指揮官は「お互いをカバーするのが野球」と9番打者の活躍に満足げ。昨年は不祥事により夏から年末まで部活動を停止。再出発する中でテーマに掲げる「一体感」を確認できた試合でもあった。“恐怖の9番打者”は「全道ではもっと相手を揺さぶって上位につなげる役割を果たしたい」と声を弾ませた。【西塚祐司】