静岡・池谷7回1安打無失点、秋春連覇へ好発進

静岡対近大高専 2番手で登板し7回を無失点に抑えた静岡の池谷

<春季高校野球東海大会:静岡7-3近大高専>◇26日◇1回戦◇三重・倉田山公園野球場

 エースが貫録の試運転で秋春連覇に好発進した。静岡(静岡2位)が、近大高専(三重1位)を7-3で破り、準決勝にコマを進めた。3回から2番手で登板した池谷蒼大投手(3年)が7回を1安打無失点。今春センバツ2回戦の大阪桐蔭戦以来となる公式戦で、ほぼ完璧な投球を披露した。また東海大静岡翔洋(静岡1位)対東邦(愛知2位)戦は雨天のため今日27日に順延となった。

 2-2で迎えた3回裏、エース池谷が満を持して60日ぶりの公式戦マウンドに上がった。先頭打者を中飛に仕留めると、次打者をこの日最速となる142キロ直球で見逃し三振。3人目も難なく投ゴロに仕留め、3者凡退に抑えた。

 池谷 緊張感はありましたが、流れを変えるピッチングをしようと思いました。

 4回以降も直球を主体にテンポよく攻めた。7-3で迎えた9回、2死満塁とこの日唯一のピンチを迎えたが、最後の打者を外角直球で空振り三振。気合の雄たけびを上げ、森康太朗捕手(3年)と勝利のタッチを交わした。7回を89球、1安打8奪三振で無失点。ほぼ完璧な内容を笑顔で振り返った。

 池谷 いつも全力ではなく基本は8割の力。要所で思い切り投げました。最後に走者を出して慌てたのは課題。今日は70点です。

 冷静なエースの投球に栗林俊輔監督(44)も満足げな表情。「よく流れをもってきてくれました。今日は力を抜くことを考えながら、自分のリズムで投げていましたね」。

 チームは今春センバツ後、夏を見据えて背番号「1」の池谷を登板させず、2番手以降の投手育成を目的に県大会を戦った。竹内奎人投手(3年)や春翔一朗投手(2年)が実戦経験を積んで調子を上げていく中で、池谷はじっくり下半身から鍛え直し、フォームを確認。今月中旬から練習試合に登板し、徐々にペースを上げてきた。池谷は「センバツに比べると球の切れ、質が良くなってきました。夏に向けていい収穫になりました」と手応えを口にした。

 次戦は明日28日、至学館(愛知1位)と対戦する。「疲れもないので、次へ向けしっかり準備したいです」。エース池谷が一回り成長。静高が、夏へ向け最高のスタートを切った。【鈴木正章】