清宮、招待4連発「満足して帰って頂くのが醍醐味」

美来工科対早実 8回裏早実2死二、三塁、清宮は右越えに3点本塁打を放つ(撮影・梅根麻紀)

<第46回沖縄招待試合:美来工科7-5早実>◇28日◇沖縄セルラースタジアム那覇

 島人(しまんちゅ)の野球ファンに、感謝のアーチを届けた。早実(東京)の清宮幸太郎内野手(3年)が、沖縄での招待試合の美来工科戦で高校通算96号を放った。5点ビハインドの8回2死二、三塁、右翼の防球ネット最上部に直撃する推定130メートルの特大弾。昨年6月に三重県で行われた招待試合以来、4招待連続でアーチを放ち、1発を期待する地元ファンを魅了した。

 特大の放物線に、沖縄のファンが大きく沸いた。8回2死二、三塁、清宮は初球の104キロシンカーを強振。右翼の防球ネット最上部に直撃する推定130メートル弾を放ち、指笛での祝福を受けながら、ホームを踏んだ。「最後の最後に1本打てて、ホッとした」。2試合目の興南戦が雨天中止で、結果的に沖縄最後の打席だった13打席目に高校通算96号を放った。

 招待された感謝の気持ちをアーチで恩返しした。昨年6月に訪れた三重県での招待試合以来、4地域連続で1発。雨の中でも訪れた1500人の観客の期待に応えた。「悔しい結果に終わるのはふがいないし、情けない思いが募る。(大観衆の前での試合は)醍醐味(だいごみ)でもあるし、満足して帰っていただくのは、自分の中でもモチベーション」と笑顔で話した。

 修正能力の高さも証明した。前日の2試合は、計6打数1安打でノーアーチ。「打てなくて、申し訳ない気持ち」と謝罪し、宿舎に帰った後に全員で約30分間素振りした。22日の春季関東大会で作新学院(栃木)に敗戦した翌日から3日間は試験で勉強に集中。「(バットの)ヘッドが返るのが遅かったり、前に突っ込んだり」と微妙にずれた感覚を戻した。

 史上2人目の通算100号へ、カウントダウンに入った。100号への意識を問われ「周りから言われないと言えばウソですし、意識しないというのもウソ。でも、そんなに変わらないです」。今月は16戦8発。現時点で来月は愛知県、香川県での招待試合を含む13試合以上が予定されている。5月と同じペースなら、大台に到達する。【久保賢吾】