清宮ドラフトも151キロ腕!青藍泰斗・石川翔注目

高校NO・1投手の評価を受ける青藍泰斗・石川(撮影・久保賢吾)

 全日本大学野球連盟と日本高野連は12日、プロ志望届の提出期間を締め切った。大学生はドラフト1位候補の立命大・東克樹投手(4年=愛工大名電)ら104人。高校生は史上最多の通算111本塁打の早実・清宮幸太郎内野手(3年)ら106人で、12日の時点で計210人が発表された。青藍泰斗(栃木)石川翔投手(3年)は、最速151キロで高校NO・1投手の評価を受ける。26日のドラフト会議は「清宮ドラフト」とも称され、何球団が競合するかに焦点が集まる中、将来性豊かな右腕の指名も注目が集まる。

 全国の舞台に縁がなかった青年が、26日のドラフト会議で一躍脚光を浴びる時がくる。夏の栃木大会では準決勝で作新学院に敗退。だが、準々決勝の石橋戦で自己最速の151キロを投げ、関東NO・1から全国NO・1へ評価を上げた。「甲子園には行けなかったですが、自分の中では(同世代で)一番だという気持ち」と闘志をたぎらせた。

 「柔らかい」と評される投球フォームから、スピンの利いたボールを投じる。フィリピン人の母を持ち、手足の長さ、関節や肩周りの柔軟性など、理想的な投手体形。宇賀神監督も絶賛する縦のスライダーは、プロでも即通用すると評価される。全12球団から調査書が届き、素材の良さ、将来性の高さから単独1位の可能性も秘める。

 挫折を経験する度に、進化を遂げた。高1時は最速137キロも制球難で投手を「クビ」にされ、外野手に転向。諦めきれず、2年春に投手テストを兼ねた打撃投手でアピールし、再転向を勝ち取った。その春の関東大会では最速146キロをマーク。3年時は左股関節、右肩、左足首と度重なるケガとの闘いだったが、不屈の精神で乗り越えた。

 この夏もまた、悔しさを糧とした。栃木大会後もU18W杯(カナダ)の高校日本代表選出を信じ、練習を継続したが代表漏れ。「選ばれるかなと…。めちゃめちゃ、悔しかった」。早実・清宮らが出場したU18W杯の試合は一切見ず、練習に没頭した。「見返したい気持ちは強いです。いずれは、日本代表を背負えるピッチャーになるのが目標」と決意を込めた。

 高校通算111本塁打の清宮との勝負も思い描いた。「高校NO・1スラッガーなので、1回はやってみたいです。最後は、直球で空振り三振を取りたいです」と話した。「(日本ハム)大谷選手、(元巨人)江川さんのように真っすぐで勝負できる投手」を夢見る高校NO・1右腕は、その時を待つ。【久保賢吾】

 ◆石川翔(いしかわ・しょう)1999年(平11)12月14日、東京・板橋区生まれ。小2から東板橋リトルで野球を始める。中学は板橋シニアで投手、外野手でプレー。青藍泰斗では2年春からベンチ入りし、2年秋からエース。球種はスライダー、カーブ、カットボール、チェンジアップ。好きな食べ物は母が作るオムライス。家族は両親と姉、弟、妹。179センチ、81キロ。右投げ左打ち。