常葉大橘・佐藤が決勝二塁打、DVDチェック奏功

常葉大橘対愛産大三河 8回表常葉大橘1死一塁、勝ち越しの適時二塁打を放った佐藤は塁上でガッツポーズ

 4年ぶり出場の常葉大橘(静岡3位)は愛産大三河(愛知2位)に2-1で勝利。県大会で不調だった2番佐藤大輔外野手(2年)が、8回に決勝の適時二塁打を放った。

 常葉大橘が粘り強さを見せた。1-1で迎えた8回表。1死から1番紅林史也内野手(2年)が右前打で出塁すると、続く2番佐藤の場面で、ランエンドヒットを仕掛けた。佐藤は真ん中低めの直球をきっちり中前にはじき返し、紅林が一気に本塁生還。貴重な勝ち越し点に、佐藤は二塁上で大きくガッツポーズを繰り返した。「つなぐ意識で打席に入りました。結果につながってうれしいです」。

 今秋の公式戦打率2割9分6厘は低い数字ではないが、本人は「フライアウトが多く、調子は悪かった」と不満だった。県大会後に試合のDVDを見て打撃をチェック。トップの位置が低いと感じると、「高くすることでボールの上をたたくようにしました」とフォームを微調整し、この日の2安打につなげた。

 大会前からの雨や、台風21号の影響で、ここ最近はグラウンドでの練習がほとんどできなかった。常葉大菊川や静岡は室内練習施設を持つが、常葉大橘にはなく、体育館でのバドミントンの羽根打ちや、ヤマハの室内練習場を借りての打ち込みをこなして試合に臨んだ。佐藤は「『室内がないから』は言い訳にならない。集中力を切らさずにやってきました」と胸を張った。今秋から指揮を執る片桐恭輔監督(29)は「佐藤は『攻めの2番』。紅林と1、2番で点を取ることができた」と笑顔。今日の2回戦は岐阜王者の中京学院大中京との対戦。上り調子の佐藤は「明日も1打席目から結果を残したい」と活躍を誓った。【鈴木正章】