学法石川・藤原涼雅、聖光学院V12止めるぞ/福島

笑顔を見せる学法石川・藤原

 第100回全国高校野球選手権記念福島大会(7月7日開幕、いわきグリーンスタジアムほか)1、2回戦の会場と日時が27日、決まった。19年ぶり10度目の出場に挑む学法石川は、同9日の初戦2回戦で福島北と対戦。1年春から4番に座り、チームの核として期待される藤原涼雅外野手(2年)が、聖光学院の12連覇阻止を誓った。

 168センチ、84キロ。2年生主砲・藤原が、重心の低い豪快フルスイングで、存在感を示す。26日に組み合わせが決まり、勝ち進めば、準決勝で聖光学院との対戦が濃厚。「どの試合でも気は抜けないので、意識はしないようにしています。聖光学院だって同じ高校生。3年生のためにも自分が打って、甲子園でも優勝したい」と気を引き締めた。

 4番を任された1年春の県大会準々決勝聖光学院戦で、王者を脅かした。延長で敗れたが、中越え2ラン。俊足を披露した三塁打も放った。「甲子園で投げた投手から打てたので、すごい自信になりましたが、自分にとってはマイナスでした。安心感が出てしまって、不調が秋まで続いてしまった」。過信は打撃不振につながった。

 秋季県大会後の練習試合で“事件”が起きた。死球にいら立ったまま迎えた打席。内野ゴロで一塁を駆け抜ける際、ベースを蹴る悪態で怒りを表現してしまった。上田勇仁監督(32)からは、Aチームでの練習禁止を厳命された。「『お前を信じて使っているんだから堂々とやれ。年下だって核になれ』と言われ、目が覚めました。冬期間に1年生と一緒に過ごすことで、初心に帰れた」。試合出場を目指してはい上がろうとする必死な姿。野球外でも支える姿。大きな刺激を受け、自身を見つめ直した。寮の布団たたみやグラウンド掃除なども率先するなど、精神的に成長した。

 夏までの課題は低めの変化球の見極めだ。今春の県大会は聖光学院戦で無安打に終わり、1-11で5回コールド負けの悔しさも味わった。東京・八王子リトル時代から継続しているマスコットバットでの素振りに加え、フリー打撃では高低を投げ分けてもらって「高めだけを打つ」意識を高めている。

 入学当初からガッチリとした体格と愛らしい表情から「タヌキ」の愛称で親しまれてきた。マスコット的ムードメーカーでもある「学石のタヌキ」がポン、ポンッ、ポーンと本塁打を量産し、頂点を導く。【鎌田直秀】