長岡工の“ノーヒッター”中村将祐(まさひろ)投手(3年)がグレードアップして最後の夏に臨む。昨秋の南支部予選3回戦・柏崎工戦で無安打無得点を記録した。昨年の秋季県大会後に右肘を疲労骨折したが、投げられない分、フィジカルトレーニングを積んで筋力アップ。大記録達成でつかんだ好感触と、けがの期間に身に付けた体力を武器に成長したエースの姿を見せる。
右横手から繰り出すボールには切れが増した。「真っすぐが良くなれば、変化球も切れる」。中村は最速135キロの直球を軸に、チェンジアップ、スライダーの制球を頭に入れてブルペンでの投球練習を重ねた。
春季県大会は3試合に登板。3回戦の長岡戦が、練習試合も含めて今年の初完投だった。昨年、秋季県大会後、10月の練習中に右ひじを疲労骨折。投球練習を始めたのは3月下旬から。出遅れたが「調子は上がってきた」と順調だ。
昨秋の南支部予選3回戦・柏崎工戦。県内公式戦では春、夏、秋を通じて3年ぶりとなる無安打無得点を達成した。与四球1の好内容に「フォームのバランスが良かった」。グラブをつけた左手の使い方、球離れの位置、リズム。当時の感覚は今も体に残っている。同時に「夏は、そううまくはいかない。ここぞ、というところで投球のギアを上げられるように」とレベルアップを意識する。
その土台はできた。故障の影響で投球練習ができなかった冬場、徹底的に体力アップに取り組んだ。走り込みとウエートトレーニングを連日行い、筋肉量が増加。体重が昨秋の70キロから6キロアップし、76キロに。もともと制球力には自信があったが「下半身が強くなった。制球力が上がったし、球威も出てきた」。文字通りのけがの功名。手応えは十分にある。
渡辺将史監督(41)も「中村が投げると、周囲が安心する」と信頼を寄せる。昨夏、長岡工は準々決勝で高田北城に延長12回の末、7-8で敗れた。中村は3番手で登板して敗戦投手。「今年は準々決勝を突破して、頂点を狙う」。無安打無得点も、故障からの復帰も、昨夏の屈辱を晴らすための準備の1つ。蓄えた力をこの夏に出し切る。【斎藤慎一郎】
◆中村将祐(なかむら・まさひろ)2000年(平12)4月4日生まれ、長岡市出身。上川西小3年から野球を始める。当時は主に遊撃手。江陽中では軟式野球部で、3年の時に投手に転向した。長岡工では1年秋から投手の控えでベンチ入り。昨秋、背番号1をつける。176センチ、76キロ。右投げ右打ち。