「節目は北海」伝統守り甲子園最多更新だ/南北海道

抽選番号を見せ、堂々とした表情で発表する北海の井平主将(撮影・永野高輔)

 第100回全国高校野球選手権(8月5日開幕、甲子園)を目指す南・北北海道大会の組み合わせが6日、決まった。南大会(15日開幕、札幌円山)では、4連覇を狙う北海が15日に札幌創成と対戦する。甲子園出場回数は全国最多の38回。まずは南北海道で王座を守り、節目100回大会での記録更新を狙う。

 節目は譲らない。北海の井平光紀主将(3年)は、抽選番号を発表すると、手にした6番の札をじっとながめながら気を引き締めた。「どこが相手でも、やることは同じ。自分たちのやるべきことをやって甲子園を目指したい」。全国最多甲子園出場を誇る古豪の主将兼4番兼エースとして、腹を据え、初戦に挑む。

 北海には伝統がある。24年の第10回大会、68年の50回大会、そして前回の節目、08年の90回大会に出場してきた。「OBの方からも、節目は北海と言われている。覚悟を持って最後の夏に突き進みたい」。王者として、大台100回目を逃すわけにはいかない。

 引き継がれた勇者の助言を糧に、伝統校の重圧をはねのける。16年は1年生ながら甲子園への同行メンバーに加わり、当時のエース兼主将、大西健斗(慶大2年)に「どんなに弱くても、気持ちで負けなければ勝てる」と言い聞かされてきた。その前年15年の甲子園は、鹿児島実に4-18で1回戦敗退。下馬評が低い中で準優勝した大西の反骨心が、土台にある。

 さらに、この日の抽選前、昨年主将の佐藤大雅(富士大1年)がグラウンドを訪れた。「夏こそ頑張れよ」。大西の代も佐藤の代も、秋春と地区敗退の屈辱からはい上がり、夏の甲子園切符をつかんだ。「一言でしたが感じるものがあり、力になった。1つ1つ、しっかり戦いたい」。敗戦をバネにチームを強くしてきた2人の主将の言葉を、4連覇への力にする。

 中学時代、函館東シニアの解団式で、チームメートと「次は全道大会で対戦しよう」と誓い合った。今回の南大会には地区2回戦で3発9打点の北照・岡崎翔太(3年)、3年ぶりに南大会切符をつかんだ知内・蛯子諒皇(りお)主将(3年)が出場。ともに、決勝まで勝ち上がらないと、対戦はない。「楽しみですが当たったら真剣勝負」。必ず最終日まで勝ち上がり、正々堂々、友を迎え撃つ。【永野高輔】