青森3年ぶり8強 エース三浦、兄の夢実現だ/青森

青森対八戸高専 4回、三振を奪いガッツポーズをする青森の2年生エース三浦

<高校野球青森大会:青森14-0八戸高専>◇15日◇3回戦◇青森市営野球場

 青森が14-0(5回コールド)で八戸高専を下し、3年ぶりのベスト8進出を決めた。打線が16安打の猛攻。2年生エース三浦立暉(りき)が3安打6三振無失点の好投をみせた。三浦の2人の兄はいずれも青森の選手で甲子園まであと1歩に迫った。三男の立暉が、今度こそ兄弟の夢を実現だ。

 勝利の瞬間も含めて淡々と投げ続けた三浦が、珍しくガッツポーズをみせたのは4回裏だった。1死後、ヒットと四球で一、二塁のピンチ。一塁走者を巧みなけん制で刺し、続く打者をこん身の投球で三振に切って取った。

 青森の強力打線が爆発したが、三浦の好投も光った。「低めにコントロールできていた。警戒する打者には四球でもいいぐらいの気持ちで、甘いところには投げなかった」という。初戦の七戸戦は10安打を打たれたが、失点は初回の1点にとどめた。これで13イニング無失点だ。

 三浦の兄、長男の悠太朗さんは青森の1番中堅手で14年夏の決勝に進出。八戸学院光星に善戦したが、6-8で敗れた。悠太朗さんは2回に3点先制の3点目を中前打で挙げ、健闘した。二男の颯太さんは背番号11の投手だった。15年夏の準決勝で三沢商(優勝校)に8-9で惜敗。颯太さんは8回裏2死二、三塁のピンチに登板。相手打者を三飛に打ち取り、この回の相手の攻撃を終わらせた。

 青森は県内トップクラスの進学校。野球部は1960年(昭35)夏の甲子園に4度目の出場で、東北(宮城)を1-0で破り、青森勢初の夏白星を飾った。名門で、2人の兄は勉強との両立を成し遂げ、甲子園にも近づいた。

 今、三浦がその夢を受け継いでいる。準々決勝の相手は青森山田。佐藤正臣監督(43)は「歴代のナインは『打倒私立』の執念でやってきた。なんとしても倒したい」。三浦が「兄たちの思いも込めて投げて、勝ちます」と力強く言い切った。【北村宏平】