星稜たまげた22点2人で7発V、全5戦完封/石川

金沢学院対星稜 7回裏星稜無死、南保に続いてこの日3本目の本塁打を放った竹谷(撮影・古財稜明)

<高校野球石川大会:星稜22-0金沢学院>◇25日◇決勝◇石川県立野球場

 ゴジラもビックリの“本塁打競争”だ。石川大会決勝は、星稜が金沢学院に22-0で大勝、2年ぶり19度目の夏甲子園出場を決めた。1試合3度の2者連続アーチなど主将の竹谷理央外野手(3年)が4発、南保良太郎内野手(3年)が3発と2人で大会1試合最多となる7本塁打など記録ずくめの猛攻だった。全5試合を無失点に封じ、投打にパワーアップした星稜が、100回記念大会(8月5日開幕、甲子園)でも旋風を呼び起こす。

 青空に向かって7本のアーチがかかった。かつてゴジラ松井が本塁打を量産した石川で、星稜の左スラッガーコンビが仰天の記録をつくった。

 金沢学院との決勝戦。1点先制して、なお1死一塁の場面。4番の南保がソフトバンク柳田ばりの豪快フルスイングで右中間へ2ラン。これが号砲だった。続く5番の主将竹谷が右翼席へ2者連続アーチ。4回には竹谷が2本目の本塁打を放ち、スタンドの観客も騒然となった。だが、まだ続きがあった。7、8回と南保&竹谷コンビが2イニング連続、この試合3度目の2者連続弾の離れ業。終わってみれば、4発の竹谷は1試合大会最多本塁打をマーク。3発の南保と合わせ、1試合チーム最多7本塁打となった。

 先発全員安打の28安打22得点の大勝に、林和成監督(43)は「今まで8年間監督をしてきた中で1、2番に弱いチームからスタートした。歴代の中で一番伸びたチームになった。少し出来過ぎです」と表情を緩めた。

 竹谷は「自分でもびっくりしています。ベンチで声を出してくれている仲間やスタンドで応援してる方々のおかげです」。南保も「正直びっくりしています。(3本目は)しつこいなと思いました。チャンスの中でも脱力を意識してやった結果となって良かったです」と笑顔をみせた。偉大な先輩松井秀喜と同じ背番号5をつける南保は準決勝まで2発放っており、1大会5本塁打は、松井らを抜く石川大会の最多本塁打記録となった。

 竹谷は試合前、ナショナルズの大砲ハーパーの打撃を動画でチェック。自分に重ね合わせて試合に臨む。だが、最高の刺激は南保の存在かもしれない。「ライバルというよりお互いに高め合う存在。南保が打ってくれるとうれしい。3年間一緒に練習してきたので」。2年生エース奥川恭伸投手やスーパー1年生内山壮真内野手ら下級生が活躍してきた中、決勝で3年生コンビが躍動した。松井秀喜氏が開幕戦の始球式を務める100回記念大会。石川県勢初の甲子園Vを目指して乗り込む。

 ◆竹谷理央(たけたに・りお)2000年(平12)8月31日生まれ、石川・小松市出身。小2から今江少年野球クラブで野球を始める。松陽中から入学し、1年春の北信越大会からベンチ入り。173センチ、73キロ。右投げ左打ち。父は米国人。

 ◆南保良太郎(なんぼ・りょうたろう)2000年(平12)7月22日生まれ、石川・河北郡津幡町出身。小1から中条ブルーインパルスで野球を始める。星稜中では軟式野球部に所属し、内外野を守る。175センチ、75キロ。右投げ左打ち。

 ◆星稜 1962年(昭37)創立の私立校。63年から現校名。生徒数1713人(女子853人)。野球部も62年創部。部員数77人。甲子園出場は春12度、夏19度目。主なOBは元ヤンキース松井秀喜、サッカー日本代表本田圭佑ら。所在地は金沢市小坂町南206。鍋谷正二校長。

◆Vへの足跡◆    

2回戦10―0金沢辰巳丘・金沢向陽・内灘

3回戦9―0小松市立

準々決勝5―0小松大谷

準決勝7―0金沢商

決勝22―0金沢学院