3番黒川&4番東妻「ワクワク」智弁和歌山強打健在

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第91回選抜高校野球大会(23日開幕)の出場校による甲子園練習が18日、始まった。前回準優勝の智弁和歌山はトップで登場。OBで阪神などでプレーした中谷仁監督(39)は監督として初めて甲子園の土を踏み、甲子園歴代最多68勝の高嶋仁前監督(72)を踏襲して30分間全てを守備にあてた。八戸学院光星(青森)など全5校が汗を流した。

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智弁カラーの朱色のユニホームに袖を通した中谷監督が指揮官として甲子園に立った。「思ったより人が見ている。ノックが下手なのがばれます」。途中、ノックを打ち損じて選手の笑いを誘うほのぼのとした場面も。「僕は(2軍の)鳴尾浜の方がホームグラウンドでしたが」。元阪神選手として自虐ネタをかましながら「打球音、声の響き、やはりすばらしいグラウンドだなと思いました」と聖地の雰囲気を懐かしんだ。

97年夏に智弁和歌山で全国制覇した時の主将で、昨年8月から指揮を執る。チームの根底には高嶋前監督のイズムが今も息づく。名将時代と同じく中谷監督の甲子園練習も打撃を行わず守備のみだった。「高嶋さんの教えを大事にしている部分もあります。時間も30分しかないので、(打撃と)どちらをとるかといったら守備かなと」。今でこそ強打のイメージが強いが元々は守備を磨き、甲子園にたどり着いたチーム。原点は昔から変わらない。

代名詞の強力打線ももちろん健在だ。主将の3番・黒川史陽内野手(3年)は今春すでに7本塁打を放ち、通算22本塁打とするなど打撃は絶好調。「自分たちの代で甲子園に帰ってこられて楽しみ」。さらに4番・東妻純平捕手(3年)も「甲子園に入ったらワクワクした」と開幕を待ちきれない。西川晋太郎内野手(3年)を含めた3人は4季連続の甲子園。経験値の高いチームを率いる新米監督は「日本一を目指して1戦1戦、1球1球大事に戦いたい」と誓いを新たにした。【望月千草】