八戸学院光星の俊足島袋、甲子園でW汚名返上誓う

ティー打撃を行う八戸学院光星・島袋(撮影・鎌田直秀)

チームNO・1の俊足で、東北勢初優勝を導く。

第91回選抜高校野球大会(23日開幕、甲子園)出場の八戸学院光星(青森)は19日、練習試合雨天中止のため、兵庫県内の屋内施設で約1時間半の打撃練習を行った。50メートル5秒9の「2番中堅」島袋翔斗外野手(3年)は「大阪に来てから、ずっと打撃の調子がいい。初戦で対戦する広陵の投手は良いので、走塁やバントで1つでも多く塁を進めたい」と意気込んだ。

昨夏の甲子園を経験した1人。龍谷大平安(京都)との2回戦、9回裏に代走で初出場した。だが、次の塁を狙う思いでリードが大きくなり、捕手からの一塁送球でけん制死。土で真っ黒になった顔でベンチに戻った屈辱は、甲子園でリベンジするしかない。「全国トップレベルでは一瞬の隙が命取りになることを学んだ。絶対に忘れられないくらい悔しい。走塁の意識は大きく変わりました」。昨秋も東邦(愛知)との明治神宮大会1回戦第1打席で送りバントを失敗。2つの汚名を返上するつもりだ。

沖縄県出身で、中学時代に出場した陸上100メートル走では那覇地区大会で2位。11秒5の好記録で県大会でも上位に入った。足を生かすため、高校入学後に左打者に転向。守備も本来の内野手との二刀流に挑戦し、出場機会を増やした。今冬はプロアスリートも指導しているトレーナーから約40種類のメニューを教授してもらい、動画を見ながら筋力強化してきた。「センバツでの個人目標は、打率と出塁率でトップ。全国制覇したい」。今大会出場32校中5位となる公式戦チーム打率3割5分7厘の強力打線の中、島袋の足と小技も際立たせる。【鎌田直秀】