興南9年ぶり決勝進出 エース宮城が「投走」の活躍

興南の3番手、宮城大弥投手が9回1死走者なしで、大分の9番小野修太郎内野手から空振り三振を奪う(撮影・浦田由紀夫)

<高校野球春季九州大会:興南7-5大分>◇25日◇準決勝◇平和リース

興南(沖縄)が左腕エース宮城大弥(ひろや)投手(3年)の「投走」の活躍で、甲子園春夏連覇した10年の春季大会以来、9年ぶりの決勝進出を決めた。

1点ビハインドの6回から3番手として登板して6回を3者凡退に仕留めると、7回の攻撃では2死二、三塁からの内野安打で二塁走者として果敢にホームに突入。逆転の得点もマークした。マウンドでは結局、9回まで4回で9奪三振1安打無失点の完璧救援で勝利に導いた。

宮城 自分が投げればチームに流れがくる。自分の役目はそれだと思っているので。自分ができることをやれば勝てると信じていました。

走塁では本塁へ果敢にヘッドスライディングも見せた。ユニホームを真っ黒にしながら、チームの勝利にひた走った。「打球を処理した三塁手が少し滑っていたし、無理な体勢で投げたのは分かった。三塁ベースを回ったところで一塁手も変な態勢で捕球していたしすぐには本塁に投げられないと思った」。投手とは思えない、相手のスキをつく好走塁で逆転勝利を演出した。

今大会3試合(先発完投1、救援2)を投げて、17イニングで27奪三振。奪三振率は14・29。驚異的な数字で絶対的エースとして君臨している。「決勝の西日本短大付は打線がいいので、特に初回の入りを大事にして自分の投球をしたいです」。向かうところ敵無しの左腕が、トルネード投法で甲子園春夏連覇を成し遂げた興南の先輩、島袋洋奨投手(現ソフトバンク育成選手)を擁して以来の春九州チャンピオンを狙う。【浦田由紀夫】