東海大決戦は相模に軍配、ユニ同じタテジマ幅5ミリ

東海大相模・井上恵輔主将(左)と東海大菅生・石田隆成主将(撮影・大野祥一)

<高校野球春季関東大会:東海大相模7-3東海大菅生>◇23日◇決勝◇大宮公園

東海大相模(神奈川1位)が東海大菅生(東京1位)を破り、春季関東大会で初優勝した。

試合開始の整列時には、高野連関係者たちもニヤニヤし「おお~っ」という声を上げた。整列した両校36人、ユニホームはほとんど同じ。「壮観だ」「相模のほうが少しだけグレーが強いかな」と、そんな声さえ聞こえた。

無礼を承知で、両校快諾のもと、ユニホームに定規をあてさせてもらった。両校とも「タテジマ」の幅は5ミリであることが判明した。それが4センチ間隔で並ぶのも全く同じで、東海大や東海大系列校の野球部を象徴する伝統のユニホームを形成している。

タテジマの色は東海大相模が紺で、東海大菅生は少々群青がかった青。胸元の「Tokai」ロゴは同じながら、東海大相模は黄色一色で縁取り。一方で東海大菅生は黄色系のグラデーションで縁取られる。ボタンの数は東海大菅生のほうが3つ多い。「うちのほうがかっこいい」と笑う東海大菅生の若林弘泰監督(53)は、東海大相模のOBだ。

学校の成り立ち自体も、少し違う。東海大相模は東海大の付属高校。一方で、東海大菅生は東海大の提携校。運営母体は東海大とは関係がないという。選手たちはそこは意識しない。「タテジマのプライド」という言葉を両校ナインともに口にし、決勝も技術と覇気をぶつけ合った。実は「平成最後の日」4月30日には練習試合の予定を組んでいたという(雨天中止)。

優勝した東海大相模・門馬監督は、東海大菅生・若林監督の高校、大学(東海大相模-東海大)の3学年後輩でもある。試合後、タテジマ対決について報道陣に聞かれ「どういうコメントがいいですか?」と笑った後「同じ学園の1校同士、しのぎを削って1つでも上にいこうよ、ということ。でも勝負に徹すれば、東海がどうこうというのはありません」とまとめた。

いろいろと注目された関東決勝・東海対決が終わり、次なる注目は近畿大会だ。25日の1回戦で智弁学園(奈良)と智弁和歌山がぶつかる。白と赤が印象的な両校のユニホームは、果たしてどこが違うのか。西日本本社・高校野球担当記者の取材報告をひそかに待ちたい。【金子真仁】